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» 2015年07月09日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:電力・ガス小売自由化へカウントダウン、裏で進むITシステムの突貫工事 (1/2)

日本オラクルは、2016年4月に迫る電力小売自由化、2017年4月のガス小売自由化に向け、新たに電力・ガスシステム改革支援室を設置。電力・ガス自由化に向けて整備が求められるITシステムの提案を加速する方針を示した。

[三島一孝,スマートジャパン]

 電力・ガスのシステム改革がいよいよ動き出した。2015年4月に広域系統運営機関が設立(関連記事)。2016年4月に計画されている電力小売完全自由化まで1年を切った(関連記事)。2017年4月にはガスの小売完全自由化を控えており、自由化への動きが目に見えるようになってきた。まずは小売から動き出したが、最終的には2020年4月に電気における発送電分離、2022年4月にガス大手3社のガス導管部門分離を終えて、最終的に完全自由化を実現する流れだ(図1)。

photo 図1:電力・ガスシステム改革の流れ(クリックで拡大)※出典:日本オラクル

電力・ガス小売自由化は事業者に何をもたらすのか

 これらの大きな動きの裏側で、電力事業者やガス事業者、新規参入事業者などは準備に追われている状況だ。具体的には自由化によってどういう変化が起こり、どういう準備を進めなければならないのだろうか。

 電力やガスなど公益事業自由化の動きは欧米が先行しており、米国Oracle(以下、オラクル)はこれらの自由化の動きを支えるシステムで多くの実績を持つ(図2)。

photo 図2:グローバルでのオラクルの公益事業における実績。CC&B=Customer Care and Building、MDMS=Meter Date Management System(クリックで拡大)※出典:日本オラクル

 そのため、オラクルでは自由化の動きの中で生まれる変化や、それに対しどう対応していくのかという点についてもさまざまなノウハウやベストプラクティス(最適な実践例)を保有しているという。まず、現在まで事業を提供してきた電力事業者については「“売る”ということが最大の違いとなる」と日本オラクル副社長執行役員 クラウドテクノロジー事業統括の三澤智光氏は強調する。

photo 日本オラクル副社長執行役員 クラウドテクノロジー事業統括の三澤智光氏

 三澤氏は「従来の電気事業者は、販売における競合相手がおらず、“売る”ということを考えなくても事業ができていた。常に販売における競合相手が存在し、料金プランなどで競い、選んでもらって、商売が成り立つというビジネスを今まで行ったことがない事業者がほとんどだ。常に競争の中で勝ち抜き顧客を維持、またはリプレースしてもらうという環境変化は、大きな変化だ」と語る。

 一方で、電力事業への新規参入者にとってはどういうことが求められているだろうか。電力小売自由化に向け新たに小売事業に参入する「新電力(特定規模電気事業者)」は2015年6月30日時点で693社となっており、700社に迫る勢いだ。しかし、多くの参入事業者において「企業としての形を作るための経理や人事などの基幹システム系のITシステムなどが未整備な状況となっている」(三澤氏)としている。

 直近に迫った電力小売自由化に間に合わせるためには急ピッチでこれらの整備が必要になる。

スマートメーターなど、日本独自の仕様

 小売自由化に関しては一般的に海外が先行しているものの、日本独自の仕様や日本の方が海外より先行する領域なども存在する。「例えば、スマートメーターで30分単位の電力使用量データを30分ごとに取得し、それが60分以内に小売事業者まで届かなければならない、という仕様はとても厳しいものだ。海外では半日に1回や1日に1回というものが多い。その意味ではデータ活用という点では先行しているかもしれない」と日本オラクル 電力・ガスシステム改革支援室 室長 田積まどか氏は述べる。

 これらのように日本と海外の状況は異なる点も多い。そのため、海外の先行事例のノウハウを生かしつつ、日本独自の要求に対応していくことが重要になる。

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