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» 2015年12月16日 15時00分 UPDATE

エネルギー管理:HEMSを使わない家庭向けエネルギー情報サービスを開始

HEMSの普及率が数%にしか満たない中で、HEMSなどの電力データがなくても省エネ方法や最適な料金プランなどが提案できる情報サービスを凸版印刷が開始する。

[長町基,スマートジャパン]

 凸版印刷が新たに開始するのは、家庭内での生活行動量を基にしたエネルギー消費量推定法「REEDA(リーダ)」を活用した家庭向けエネルギー情報サービスだ。2016年4月から本格的にスタートする。このサービスは、HEMSなどの電力データがなくても、家族構成など家庭の属性情報と生活行動を組み合わせることで家庭のエネルギー消費状況を推定し、その結果に基づいた省エネ方法や最適な料金プランなどが提案できるというものだ。節電などの省エネ活動に応じたポイント発行や、家庭のライフスタイルに合わせたクーポン配信など、電力やガスなどの既存エネルギー事業者および新規参入企業に向け、顧客満足度の向上につながるサービスの提供を行う。

 凸版印刷はこれまで、経済産業省や環境省などの実証事業への参加を通じ、エネルギー事業者と家庭とのコミュニケーションを図ることを目的に、「見える化」だけではない新しいエネルギーソリューション手法について実証を重ねてきた。

 その中で、家庭内の生活行動の量とエネルギー利用の波形の相似性に着目し、世帯属性に応じた家庭内エネルギー消費活動について、早稲田大学と共同で2012年から研究を行い、早稲田環境研究所を含め3者共同で、独自のエネルギー消費量推定法「REEDA」を開発した。また、2013年には富士通と共同で、家庭のエネルギーデータからエネルギーの使用状況や生活行動を予測し、その分析結果をもとに新しいマーケティングを実現する次世代レコメンドシステム「VIENES(ヴィエネス)」を開発。実証事業などを通じ、そのサービス内容を拡充している。

4つの機能を搭載

 来春開始予定の「REEDA」「VIENES」を活用した同サービスには以下の機能がある。

  1. スマートライフレポート発行サービス
  2. 料金プランレコメンドサービス
  3. エネルギーポイント発行サービス
  4. クーポン配信サービス

 具体的には従来の検針票と比べて分かりやすい電力利用状況、それに応じた省エネアドバイス、省エネにつながるオススメの家電製品情報など、家庭ごとのライフスタイルにあわせた役立つ情報を、ダイレクトメールやWebサイトにレポート形式で発行する。また家庭の電力データを元に電力料金をシミュレーションし、家庭ごとのライフスタイルに合った経済的な料金プランを提案する。

photo 図1 スマートライフレポート発行サービスのイメージ図 出典:凸版印刷

 さらに家庭向けにポイントを発行することで、節電・節約を促進し、エネルギー事業者のピークシフトやピークカットの実現をサポート。家庭には、省エネを行った効果に応じたポイントを算出し発行するため満足度もアップすることで、より良いコミュニケーションが図れる。この他、家庭の電力データを元に、クーポン情報を最適な時間に配信。見逃されがちなクーポン情報を効果的なタイミングで配信することで認識率を向上し、エネルギー事業者と家庭とのコミュニケーションを活性化させる。

photo 図2 クーポン配信サービスのイメージ図 出典:凸版印刷

 凸版印刷は同サービスを電力やガスなどの既存エネルギー事業者および新規参入企業向けに提供し、2018年度に関連受注を含め約100億円の売上高を目指す。また、今後のIoT技術の発展によりその実現が期待されるスマートハウスやスマートコミュニティーなどに対し、これまでのエネルギー実証で培った技術とノウハウを活用。エネルギー事業者にもユーザーにも役立つソリューションや、エネルギーを媒介にした新しいコミュニケーションサービスを開発・提供する方針だ。

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