コンビニ各社の中で最初に小売電力市場への参入を発表したローソン。三菱商事と共同設立したMCリテールエナジーを通して、2016年4月から東京電力管内で電力販売を開始する。料金プランは1種類のみという「分かりやすさ」と、ポイント還元によるお得感で一般消費者にアピールしていく狙いだ。
2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に向け、コンビニ各社の中で最も早く市場参入に名乗りを上げたのがローソンだ。2015年末に三菱商事と共同で、小売電力事業を行う新会社のMCリテールエナジーを設立した。同社は既に電力取引監視等委員会の審査登録も済ませている。
展開する電力のブランド名は「まちエネ」(図1)で、まずは2016年4月から東京電力管内で販売を行っていく。同年1月29日に料金プランの詳細を発表し、2月1日から申し込み受付を開始した。以下ではまちエネの料金プランついて解説していく。
まちエネの最大の特徴が分かりやすい料金体系だ。料金メニューは1種類しかない。東京電力が提供している従来電灯Bと同じく、10A(アンペア)ごとの契約量で決まる基本料金と3段階制の電力量料金で構成している。従来電灯Bと比較してみると基本料金は全く同じだ。ただし電力量料金において、300kWh(キロワット時)を超えた分の料金単価を、従来電灯Bより約9%安い27.24円に設定しているのが特徴だ(図1)。
さらに電気料金に応じて、ロイヤリティ マーケティングが運営するポイントサービス「Ponta(ポンタ)」のポイントも付与する。Pontaはローソンをはじめ、提携する約80社で利用できるポイントサービスで、基本料金と電力量料金の合計金額に対して1000円につき10ポイントがたまる仕組みだ。この他にローソンで使用できるクーポンの提供など、付加価値サービスも拡充していく方針だ。
まちエネは300kWhを超えた分の割安な料金単価と、ポイント還元が主な割引のポイントになっている。月平均で300kWh以上電力を使用する家庭であれば、割引率が大きくなっていく仕組みだ。東京電力の従来電灯Bで契約電流は50A、月の電力使用量が700kWhの家庭が乗り換えた場合、年間約1万4900円(約6%相当)お得になる計算だという。
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