プロパンガス会社が電力で攻める、低料金にセット割引も電気料金の新プラン検証シリーズ(23)(2/2 ページ)

» 2016年02月24日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
前のページへ 1|2       

プロパンガスとセット契約で3%割引

 東京ガスは戸建て住宅の3人家族をモデルに、月間の使用量が392kWh以上で東京電力よりも割安な料金プランを設定している。契約電力が40Aで使用量が392kWhの料金を比較すると、「ミライフでんきB」は1万344円、東京電力の「従量電灯B」は1万872円、東京ガスの「ずっとも電気1」は1万390円になる。このモデルでも「ミライフでんきB」が最も安い。

 大型の住宅で電気製品の数が多い場合には、契約電力が60Aでも足りない場合がある。もう1種類の「ミライフでんきC」は東京電力の「従量電灯C」に対抗する料金プランだ。基本料金だけではなく電力量料金の第1〜第3段階の単価をすべて安く設定した(図6)。

図6 「ミライフでんきC」の単価。出典:ミライフ

 東京ガスにも同様のプランで「ずっとも電気2」がある。月間の使用量が120kWhを超えて360kWhまでは「ミライフでんきC」よりも安く、それ以外の単価は高い。毎月の使用量によって、どちらが安いか変わってくる。

 さらにガスとセット割引が加わる。「ミライフでんき」はプロパンガスとセットで契約すると最大3%の割引になる(図7)。一方の東京ガスは料金プランや契約電力に関係なく、都市ガスとセットで契約すると電気料金から月額270円を割り引く。契約電力が大きくて電気料金が9000円を超えると、「ミライフでんき」の割引率のほうが大きくなる。

図7 プロパンガスとセットで契約した場合の割引率。出典:ミライフ

 東京電力も使用量が多い家庭を対象にした新しい料金プランを発表したほか、プロパンガス大手のニチガスやTOKAIと提携して電力とプロパンガスのセット割引を可能にした。ソフトバンクの通信サービスと組み合わせたセット割引やポイントプログラムもあり、各家庭の電力・ガス・通信サービスの利用状況によっては「ミライフでんき」や「ずっとも電気」より安くなる。

 「ミライフでんき」を販売するシナネングループでは、企業向けの電力・ガス・石油製品はシナネンが販売する体制になっている。シナネンはグループ全体の電力を調達する役割も担っていて、群馬県や静岡県でメガソーラーを運転中だ(図8)。

図8 「群馬ソーラーパーク」(左)と「伊豆の国ソーラーパーク」(右)。出典:シナネン

 さらに2016年1月には、建物の屋根を借りて太陽光発電事業を展開する日本ソーラー電力を買収した。日本ソーラー電力が年間に供給できる電力量は一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して5800世帯分に相当する。このほかにシナネンはバイオマス発電所の建設も進めて、グループ全体で再生可能エネルギーを多く含む電力を企業や家庭に販売していく。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.