次世代エコカーとして注目が集まる燃料電池車。世界の中でも日本企業が強みとしている領域だが、それは四輪だけでなく二輪も同様だ。複数の国内メーカーが水素で走る“燃料電池バイク”の開発を進めている状況を受け、国土交通省は世界に先駆けて燃料電池二輪自動車の安全基準を策定した。
国土交通省は2015年2月23日に、燃料電池二輪自動車の安全技術を策定し公布したと発表した。燃料電池二輪は国内自動車メーカーによる開発が進んでおり、世界に先駆けて安全基準を早期に定めて日本企業の国際競争力を確保する狙いだ。
新たに定める安全基準は、燃料電池二輪の高圧ガス燃料装置に関するもの。燃料電池二輪における高圧ガス容器の安全基準を定めたのは世界初になる。自動車の安全・環境基準については「道路運送車両法」に基づき、「道路運送車両の保安基準」として定められている。この保安基準の細目を定める告示を改正し、二輪車特有の要件を考慮して高圧ガス燃料装置の強度や構造、取付方法などの安全基準を策定した。
まず、ガス容器とその付属品(容器安全弁など)について、容器保護要件として以下の技術的要件を義務付けた。
さらに容器安全弁作動時の水素放出についても、水素の放出方向を特定できるよう方向を車両底面垂直方向にすることを義務付けた。車両から排出される気体の水素濃度についても基準を設け、車室などの水素濃度が3%を超えた場合には運転者に警告、4%を超えた場合は燃料供給の遮断を義務付ける。
この新設した安全基準は新型車と継続生産車を対象とし、2018年2月23日から適用される見込みだ。
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