原油100億リットル分の省エネを可能に、NEDOが描く技術ロードマップ省エネ機器(1/2 ページ)

政府は2030年までに温室効果ガスを2013年比26%削減する目標を掲げている。これを達成するための省エネルギー化には、規制やガイドラインの策定に加え、技術革新も必須だ。国立研究開発法人であるNEDOは「技術開発で2030年に原油1000万キロリットル分の省エネに貢献」を目標に、次世代省エネ技術の開発を促進する。

» 2016年03月18日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年3月17日、東京都内で会見を開き、NEDOの理事長を務める古川一夫氏が省エネルギー技術分野における今後の展開について説明した。

NEDO 理事長の古川一夫氏

 2015年12月に開催された「COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)」で、2020年以降の温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」が正式に採択された。

 この中で日本は温室効果ガスの排出量を2030年までに2013年比26%削減するという目標値を掲げている(図1)。さらに2016年3月15日に開催した地球温暖化対策推進本部では、長期目標として2050年に現在より80%削減する目標も盛り込まれた。

図1 2030年に向けた政府目標(クリックで拡大 出典:NEDO

 CO2を2013年比率で26%削減するというのは、具体的にどういうことか。古川氏は「2030年に2013年時点と比較して原油換算で5030(kl)キロリットルに相当する省エネをあらゆる産業部門で実現しなくてはいけないということ」と述べ、「こうした背景を受けて、NEDOの今後の技術開発ロードマップの中でも、省エネ分野は非常に重要な注力領域として捉えている」と語った。

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