住宅太陽光の直流電力をそのまま充電、ハイブリッド型の新型蓄電池蓄電・発電機器

東芝ライテックは定置式家庭用蓄電システム「eneGoon(エネグーン)」の新モデルとして、太陽光発電と直流連携できる複合型パワーコンディショナ採用の「ハイブリッド5.0kwh」タイプを2016年7月に発売する。価格は税別265万3000円だ。

» 2016年04月18日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 東日本大震災以降、従来の需要ピークに応じた電力供給システムに代わり、需要をピークカット・ピークシフトさせるとともに、再生可能エネルギーを活用しCO2を低減させる高度なエネルギーマネジメントシステムの構築を図る政策が進められている。

 その際、蓄電システムは重要な構成部品となる。特に住宅向け市場においては、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及促進、2019年以降をめどに余剰買取期間が終了する住宅太陽光発電設備が増加し、その後の設備と発電した電力の活用ニーズが高まるといった動きが予想される。これに伴い蓄電システムの活用ニーズも高まると見られる。

 こうした市場を背景を踏まえ、蓄電システムには「高度なエネルギーマネジメントへの対応機能」「高い充放電性能(高出力、充放電回数、寿命劣化)」「太陽光発電で発電した電力を効率良く蓄電池にためられる」といった機能・性能が求められている。

 これらのニーズに応えるため東芝ライテックでは同社の定置式家庭用蓄電システム「eneGoon(エネグーン)」シリーズに、太陽光発電と直流連携できる複合型パワーコンディショナ採用の新製品として「ハイブリッド5.0kWh」を追加した(図1)。価格は税別265万3000円で、2016年7月から販売を開始する。スタンダードタイプについても従来モデルから高容量化を図った「7.4kWhタイプ」(税別307万9600円)を同年5月から販売する。

図1 新製品「ハイブリッド5.0kWh」タイプ 出典:東芝ライテック

 5.0kWh(キロワット時)タイプの特徴を具体的にみると、ハイブリッドパワーコンディショナには蓄電池と太陽光発電のパワコンを集約。太陽光発電設備で発電した電力を直流のまま蓄電できるため、少ないロスで効率的な充電が可能だ。日中は太陽光発電の電力を家庭内で使用し、余剰分は蓄電池に充電する。そして昼間にためた電力は夕方や夜間に使用したリ、夜間電力を充電して翌日に使用したりといった、電力の効率的な使い方を可能にする。停電時にはテレビや照明、冷蔵庫など緊急時に必要な電気機器を約9時間連続使用できる(図2)。

図2 蓄電システムの構成イメージ 出典:

 パワコンと蓄電池部を分離したことにより、棚下などに設置可能な蓄電池サイズを実現し、都市部など住宅が密集してスペースが限られている場所でも設置しやすい。また、安全性を重視したエンクロージャー構造を取り入れている。さらに、東芝HEMSと連動することにより、家全体のエネルギーマネジメントが可能だ。

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