高速走行「電気バス」、無線充電の効率86%電気自動車(1/3 ページ)

高速道路を走行する中型EVバスの実証走行を東芝が開始した。特徴は無線充電(ワイヤレス充電)を採用したこと。15分で充電を終え、1日当たり3回、川崎市と羽田空港を結ぶ。

» 2016年06月02日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]

 電気自動車(EV)の利便性を大幅に高める技術が実現しそうだ。ケーブルを用いない「無線充電(ワイヤレス充電)」である。

 東芝は2016年6月1日から、ワイヤレス充電を採用した「中型EVバス」の実証走行を開始した(図1)。実証走行により無線充電の利便性とCO2削減効果を検証する。2016年12月末までの走行を予定する。

図1 EVバスの外観 デーゼルバスのパワートレインを電動化した(クリックで拡大)。出典:東芝

ワイヤレス充電の利便性は?

 EVバスが搭載する電池の容量は52.9キロワット時(kWh)*1)。高速走行で空調を使用しない場合、航続距離は約89キロメートル(km)だ。実証走行では、2拠点の間、約11kmを1日3往復で結ぶ。片道の走行に必要な電力を約15分で充電できることが特徴だ。いわば継ぎ足し充電の形で運用する。

 「EVバスの運転席の左側にワイヤレス充電用の表示・操作用タッチパネル(図2)を組み込んだ。停止位置*2)が合っていることを表示パネルで確認し、画面ボタンを操作するだけで充電が始まる。満充電表示後、発車すればよい」(東芝)。車外に出て充電ケーブルを着脱することに比べて利便性が高く、安全だといえるだろう。

*1) 日産自動車の「リーフ」が搭載する電池の容量は24kWh(1充電当たりの走行距離228km)、または30kWh(同280km)。リーフの車両重量は1430〜1480kg。
*2) 自動運転や停止位置をガイドするシステムは用いていない。

図2 EVバスの運転席と表示・操作用タッチパネル(左) 出典:東芝
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.