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» 2016年07月20日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:アンモニア水素ステーション実現へ、アンモニアからFCV用水素製造に成功 (1/2)

広島大学、昭和電工、産業技術総合研究所、豊田自動織機、大陽日酸は、アンモニアから燃料電池自動車用高純度水素を製造する技術の共同開発に成功した

[三島一孝,スマートジャパン]

 今回の共同開発は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の委託研究課題「アンモニア水素ステーション基盤技術」において、共同開発を進めたものである。

 水素は、燃焼時に水しかでないクリーンなエネルギー源である他、燃焼によるエネルギー量も大きく、エネルギーの貯蓄源として期待を集めている。しかし、常温では気体である水素を、効率的に貯蔵・輸送するには技術的な革新が必要となる。そのため、SIPエネルギーキャリアでは、水素の有効な活用手法の開発を目指し、「再生可能エネルギー由来水素製造技術」「アンモニア水素ステーション技術」「有機ハイドライド水素ステーション技術」「アンモニア直接利用燃料電池技術開発」「アンモニア直接利用タービン発電技術」の5つの技術開発と事業化に向けた実証を推進している(図1)。

photo 図1 水素利活用に関して必要になる技術開発(クリックで拡大)※出典:内閣府

水素エネルギーキャリアとして期待を集めるアンモニア

 今回新たにアンモニアから燃料電池自動車(FCV)用水素の生成技術を開発したのはこの「アンモニア水素ステーション技術」を研究開発する研究チームである。広島大学 先進機能物質研究センター教授の小島由継氏を研究責任者とし、昭和電工、産業技術総合研究所、豊田自動織機、大陽日酸などが参加する。

 アンモニアは、NH3の化学式で示されるように、1分子中に多くの水素を含むため水素エネルギーキャリアとして期待を集めている物質である。しかし、アンモニア水素ステーション実現のためには、「高活性高耐久性アンモニア分解触媒」「残存アンモニア濃度を0.1ppm以下にでき、再生が容易なアンモニア除去材料」「水素純度99.97%を達成できる精製技術」の3つの技術的な課題を抱えていた。

 今回の研究開発では、世界トップクラスのアンモニア分解用ルテニウム系触媒、新たなアンモニア除去材料、効率的な水素精製に関する技術を確立。これらの技術を用いたアンモニア分解装置、残存アンモニア除去装置、水素精製装置を実証システムの10分の1スケールで開発した。これらの装置を組み合わせることで、世界で初めてアンモニアを原料としたFCV用水素燃料製造が可能となったという(図2)。

photo 図2 アンモニア水素ステーションの概念図 出典:科学技術振興機構
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