蓄電池のように水素を使う、再生可能エネルギーの出力変動対策に自然エネルギー(1/2 ページ)

再生可能エネルギーの導入を拡大する上で出力変動への対応は必須だ。東北電力はこの課題に対し、水素製造を活用して出力変動を吸収する技術の研究開発を計画している。2016年7月19日から仙台市にある同社の研究開発センターで「水素製造システム」の設置工事が始まった。

» 2016年07月21日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 東北電力は再生可能エネルギーの導入拡大に向け、課題である出力変動の対策技術の研究開発を進めている。その1つとして研究開発を計画しているのが、水素製造装置を活用した出力変動の吸収だ。余剰電力で水素を作って貯蔵し、有効利用する狙いである。

 この技術の実証は仙台市青葉区にある東北電力の研究開発センターで2017年3月から実施する計画だ。東北電力ではこれに向け、2016年7月15日から水素製造装置の設置工事に着手した(図1)。

図1 設置する水素製造システムのイメージ 出典:東北電力

 水素製造システムは、研究開発センター内の約400平方メートルの敷地を活用して設置する。施設の屋根に約50kW(キロワット)の太陽光発電設備を設置し、発電した電力をためる容量約60kWh(キロワット時)も併設する。

 この電力と1時間あたり5Nm3(ノルマルリューべ)の製造能力を持つコンテナ型の水電解水素製造装置を使って水素を作る。水素は容量約200Nm3の水素吸蔵合金方式の貯蔵タンクにためておき、必要に応じて燃料電池で発電する。発電した電力は研究開発センターで利用していく計画だ。

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