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» 2017年02月22日 07時00分 UPDATE

電力供給サービス:大都市を中心に電力会社とガス会社が価格競争、4月からセット割引で安く (1/2)

都市ガスの小売全面自由化で電力会社が動き出した。九州電力は電力と都市ガスのセットで月に最大1300円を割り引くプランを2月20日に発表した。関西電力と中部電力もガス会社より安いセット割引を1月に打ち出している。東京電力と提携するニチガスは単価とセット割引の両面作戦を展開する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 この1年間でガス会社に大量の顧客を奪われた電力会社の逆襲が相次いで始まった。先陣を切ったのは関西電力で、家庭向けの都市ガスの料金単価を年末から年初にかけて2度値下げしている。続いて中部電力と九州電力も電力と都市ガスを組み合わせた割安なセット料金を発表した。各社ともガス会社を上回る割引額で既存の顧客を死守しながら、流出した顧客の奪回を目指す(図1)。

図1 家庭向けの都市ガス販売キャンペーン広告。出典:九州電力

 九州電力は2月20日に家庭・商店向けの都市ガス「きゅうでんガス」の料金プランを発表して、翌21日から申し込みの受付を開始した。「きゅうでんガス」の供給エリアは福岡県内で、同地域で都市ガスを販売する西部ガスの標準プランの単価とまったく同じだ。その代わりに電力とセットで一定額を割り引く(図2)。あくまでも電力と都市ガスのセットで購入する顧客を対象にした価格戦略である。

図2 電力と都市ガスのセット割引(月額)。出典:九州電力

 九州の標準的な家庭で比較すると、西部ガスのセット料金よりも月額で524円安くなり、年間では約6300円も割安になる(図3)。ただし2年契約による割引(年間777円)が含まれているため、2年未満で解約した場合には割引額の精算が必要になる。それでも現在のところ西部ガスのセット料金より安い。

図3 標準的な家庭を対象にした料金比較(2017年2月分の料金を適用)。出典:九州電力

 中部電力も1月30日に「カテエネガスプラン」を発表して、同地域の東邦ガスよりも割安な料金プランで攻勢をかけている。都市ガス単体で約6%安く、電力とセット割引を適用すると約8%に拡大する(図4)。年間で5556円の割引額になる。

図4 中部電力の都市ガス料金とセット割引(2017年2月分の料金を適用)。出典:中部電力

 直前の1月10日には東邦ガスが新しいガス料金プラン「がすてきトクトク料金」を発表していた。独自の電気料金と組み合わせて、中部電力よりも年間に5020円安くなるプランだった(図5)。それを上回る割引額を中部電力が打ち出したことで、早くも対抗策を迫られている。

図5 東邦ガスのセット割引(2017年2月分の料金を適用)。出典:東邦ガス

 すでに価格競争が始まっている東京エリアと関西エリアを含めて、4月1日の都市ガス小売全面自由化を前に大手各社のせめぎあいが激しさを増していく。

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