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» 2017年09月21日 09時00分 公開

太陽光:太陽電池の見えない不具合を特定、EL測定をドローンで実施可能に

トーエネックは、ドローンを利用した太陽電池のEL測定サービスを開始する。作業者が立ち入りにくいエリアにある太陽光発設備でもEL測定が行える他、検査時間を短縮できるメリットがあるという。

[長町基,スマートジャパン]

 トーエネックは、同社の太陽電池モジュール診断サービス「オンサイトEL測定サービス」に、ドローンでの動画撮影によるEL(エレクトロルミネセンス)測定メニューを追加すると発表した。作業者が立ち入りにくいエリアにある太陽光発設備でもEL測定が行える他、検査時間を短縮できるメリットがあるという。2017年10月から提供を開始する。

 EL測定は、太陽電池に電流を流すと近赤外光が発生する現象を利用する検査手法。発光の有無を確認できる専用カメラで太陽電池を撮影することで、目視では識別できないセルのクラック(亀裂)や、インターコネクターの断線、接続不良などの不良箇所を特定できる特徴がある。

 従来、EL計測は屋内の専用機器で行うのが一般的だったが、トーエネックは技術者が現地で診断などを行うオンサイトEL測定サービスを2015年5月から提供している。今回、さらなる利便性や安全性の向上を図るため、ドローンを利用したEL測定サービスの開発に取り組んだ。

 工場の屋根などに設置されている太陽電池は、スペースを空けることなく敷設されているケースが多い。そのため、点検作業を行う作業者が太陽電池に近づくことが困難だったり、無理な動作により屋根から墜落したりといった問題が指摘されている。また、地上設置型の場合でも、太陽光発電設備の規模が大きくなるほど、点検に多くの労力と時間を要するため、効率的に点検できる手法が求められていた。

 同社のオンサイトEL測定サービスは、太陽電池を架台から外すことなく、設置したままEL測定を行うことができる。測定は夜間に行うことで、発電量に影響を与えない。これに加えて、今回、ドローンを用いた動画撮影でEL測定を行うことで、従来の静止画像の撮影によるEL測定と比較して測定時間を短縮できるようになる。同社の試算では500kW(太陽電池約2000枚)の太陽光発電設備で、約1時間の作業時間短縮が可能という。この他、工場屋根上など、従来は作業スペースが無く、測定が困難であった場所でも、太陽電池に電流を流せればEL測定が可能となる。

サービスの概要と測定結果のイメージ(クリックで拡大)出典:トーエネック

 ドローンを使用したEL測定の作業は電源操作者、ドローン操縦者の2人で実施する。電源操作者が太陽電池に電流を流す作業、測定中のEL画像の確認、ドローンに搭載したカメラの撮影方向の操作を行う。ドローン操縦者はドローンの操作のみを担当する。EL測定により撮影した動画では、正常なモジュールは明るく、異常な部分は暗く写る。これにより、太陽電池内部に発生するPID(Potential Induced Degradation)現象などの異常箇所を診断することができる。

 トーエネックでは、主に、50kW以上の太陽光発電設備を対象に同サービスを提供していく方針。EL測定サービスの提供価格は、太陽光発電設備の機器構成や現地の状況によって測定内容が異なるため、設備に応じ、その都度見積りとなる。目安としては、500kWの地上設置型太陽光発電設備の場合で約50万円としている。

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