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» 2018年02月07日 11時00分 公開

省エネ機器:パナソニックが目指す次世代のエコな食品流通、カギは「ノンフロン冷凍機×IoT」 (1/2)

パナソニックは、食品流通のさらなる省エネ・環境性能の向上を目指す。食品冷却で重要な役割を果たす冷設機器用冷凍機のノンフロン化と、AI・IoTを活用した店舗用遠隔データサービスによって、ハード・ソフトの両面から顧客に提案を進めている。

[松本貴志,スマートジャパン]

代替フロン冷凍機から25.4%の省エネ効果を持つノンフロン冷凍機

 パナソニックは2018年2月6日、都内で「食品流通事業を支えるノンフロン冷凍機と遠隔ソリューション」に関する技術セミナーを開催した。同社が得意とするCO2冷媒を採用した冷設機器用ノンフロン冷凍機や、AI・IoTを活用した店舗冷設機器の電力見える化など遠隔データサービスの概要を紹介した。

 地球温暖化対策の国際合意である「パリ協定」、オゾン層破壊物質の廃絶に向けた規制のモントリオール議定書に、GWP(地球温暖化係数)が非常に大きいHFC(代替フロン)を削減対象に追加した「キガリ改正」によって、冷媒に関する規制が強まっている。

 この流れを受け、空調・冷設機器メーカーはノンフロン冷媒機器の開発・普及への取り組みを進めている。ノンフロン冷媒は、イソブタンやアンモニア、CO2など数種が用いられているが、パナソニックではCO2冷媒(R744)を採用した冷凍機を2005年から開発。2010年より、食品ショーケースなどを冷却する店舗用ノンフロン冷凍機を販売している。

食品流通店舗で主に利用される冷媒(クリックで拡大)

 CO2冷媒は、イソブタンやアンモニアといった他のノンフロン冷媒と比較して、GWPが比較的小さいこと、燃焼性や人体への毒性が無い点で優位に立つが、従来のHFC冷媒(R404A)に比べて冷媒の高圧側圧力が約4倍ほど大きい10メガパスカル以上となるなど、CO2冷媒に対応したコンプレッサーの開発には強度や効率などで課題があったという。

 同社はこの課題に対して、2段圧縮式のロータリーコンプレッサーを開発することで解決した。同軸に設置された低圧用コンプレッサーと高圧用コンプレッサーによって、冷媒を低圧、中圧、高圧と段階的に昇圧する。これによってコンプレッサーの耐圧設計を容易にでき、中圧の冷媒を中間冷却熱交換器によって冷却することで、高圧用コンプレッサー吸入冷媒温度を下げ圧縮効率の改善を行った。

2段圧縮式ロータリーコンプレッサーの概要(クリックで拡大)

 また、従来HFC冷媒であるR404A採用機器から省エネ・環境性能面でも大きく進化している。CO2冷媒冷凍機の冷凍系統では25.4%(CO2削減効果71%)、冷蔵系統では16.2%(同65%)の省エネを実現した。さらに、2台の冷凍機を熱交換ユニットによって連結する「カスケードシステム」の発売も2018年春に予定しており、高効率運転や冷却系統数の削減によるコスト低減が望めるという。

左:同社ノンフロン冷凍機の特長 右:カスケードシステムの概要(クリックで拡大)

 現在、同社のノンフロン冷凍機は大手スーパー・コンビニチェーンを中心に2016年度末までに計2423店舗へ導入され、累計で8500台以上の設置があった。2017年度末には3100店舗の導入を見込んでおり、海外展開についてもアジアやヨーロッパの実店舗で実証試験や導入を進めているという。

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