急速に進むEVトレンド、ユーザーの購入意欲は?電気自動車

パーク21が電気自動車に関するユーザー調査を実施。航続距離に関する認識や、購入意欲について調査した。

» 2018年06月21日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 駐車場事業大手のパーク24(東京都千代田区)は、ドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に行った「電気自動車(EV)」に関するアンケート結果をこのほど発表した。この中でEVの1回充電当たりの航続距離を正しく認識している人は約3割ということが分かった。また、「EV」「プラグインハイブリッド自動車(PHV)」を購入の選択肢とする人が増加しており、その決め手は「価格が手ごろ」が半数近くを占めた。

 アンケートでEVの1回充電当たりの航続距離について聞いたところ、「知らないまたは未回答」が53%で最多となり、前回の調査より5ポイント増加した。回答のあった距離としては、「301〜400km(キロメートル)」が12%で最多、前回調査より10ポイント増加している。次いで「101〜200km」と「201〜300km」が8%となった。

航続距離に関するアンケートの回答結果 出典:パーク21

 EVのカタログなどでは1回充電当たりの航続距離は、「164〜400km(JC08モード)」が中心となっており、28%の人が実際の航続距離に近い認識だった。具体的な距離としては、「400km」が12%で最多、次いで「200km」が7%、「300km」が6%となっている。前回の調査では回答として少なかった「400km」をあげる人が増えている。これは、2017年10月に発売された電気自動車のカタログ走行距離が400kmとして大きな話題になったことが影響していると予想している。

 「ガソリン車以外のクルマの購入を検討したことがあるか」については、「ある」人が35%で、前回調査より4ポイント増加したものの、前回同様6割以上が「ない」と回答しており、全体傾向には変化がなかった。検討したことがあるクルマとしては、「ディーゼル(軽油)車」が34%で前回同様に最も多かったが、スコアは19ポイント減少した。一方で、「EV」は前回より5ポイント増の32%、「PHV」は15ポイント増の31%となっており、EVとPHVを選択肢とする人が増えた。

 「どのようになったらEVを購入するか」の問いには、「価格が手ごろになったら」が43%、次いで「航続距離に不安がなくなったら」と「充電ステーションが増えたら」が19%と続き、前回調査とほぼ同様の結果となった。

 クルマ未保有で購入を検討中の人に限ると、「価格が手ごろになったら」が39%、「充電ステーションが増えたら」が24%、「航続距離に不安がなくなったら」が18%の結果となった。全体と比較しても傾向に大きな違いは見られないが、「充電ステーションが増えたら」は全体よりも5ポイント高くなっている。実際の利用シーンを想定しているからこそ、充電ステーションの数を重視する傾向にあるようだ。

 また、EVの購入の決め手は前回同様、「価格が手ごろ」が最多となったが、メーカー各社の希望小売価格が200万円以上であるのに対し、アンケート回答者はクルマの購入予算を200万円未満とする人が多く、現時点では価格面において電気自動車を選択肢の1つとすることが難しい状況にあるものと思われるとしている。政府はEV購入者対して補助金を交付しているが、普及のためにはさらなる車両価格の低減が求められているとみている。

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