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» 2018年11月09日 07時00分 公開

自然エネルギー:ドイツの再エネ導入を支援、Li電池とNAS電池のハイブリッド設備が稼働

日立化成、日立パワーソリューションズ、日本ガイシらがドイツのニーダーザクセン州で開発を進めていたハイブリッド蓄電システムが完成。リチウムイオン電池とナトリウム硫黄電池を組み合わせたのが特徴のシステムで、系統安定化に活用する。

[スマートジャパン]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日立化成、日立パワーソリューションズ、日本ガイシは、ドイツのニーダーザクセン州ファーレル市で大規模ハイブリッド蓄電池システムを完成させた。2018年11月1日から、実証運転を開始し、同地域での電力系統の安定化に取り組んでいる。

実証運転を開始した大規模ハイブリッド蓄電池システム 出典:NEDO

 ドイツは、2050年までに国内電力需要の80%以上を再生可能エネルギーに代替するエネルギー転換政策「Energiewende」を掲げ、風力発電や太陽光発電などの導入を積極的に進めている。それら再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、これまで一定の周波数を維持する役割などを担っていた火力発電などが使われなくなってきており、火力発電の役割を代替する技術へのニーズが急速に高まってきた。

 このニーズに対応するため、NEDOとドイツのニーダーザクセン州経済・労働・交通省、同州内の電力供給を担う管理組織EWE-Verband、および同社の子会社であるEEW Holdingは「大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業」を実施することとし、2017年3月19日に実証事業開始に向けた基本協定書(MOU)を締結した。同時にNEDOの委託先として選定された同3社と、ドイツ側の協力企業で地域電力会社のEWEが協定付属書(ID)を締結し、2017年4月から同実証事業を開始した。その後、同州ファーレル市より大規模ハイブリッド蓄電池システムの設置許認可を取得し、基礎工事や機器の搬入・設置を経て、システムの完成と試運転が完了したことで、実証運転につなげた。

 実証運転では、高出力の充電・放電が可能な日立化成の出力7.5MW、容量2.5MWhと、日本ガイシの出力4MW、容量20MWhのナトリウム硫黄電池(NAS電池)の、日立パワーソリューションズの系統情報制御システムを用いて構築した大規模ハイブリッド蓄電池システムが、電力安定化に有効であることを検証する。系統情報制御システムは、両電池の運用管理に加え、EWEの電力取引システムと連携して電力需給情報をやりとりすることで、各機能の効率的な運用を可能にする。

 また、同システムを稼働し、従来の火力発電代替機能としての需給調整、バランシング・グループ内でのバランシング、ローカルな電圧安定化に寄与する無効電力供給の各機能を実現し、EWEグループの電力取引システムを通じた電力取引を行う。さらにeneraプロジェクトと連携し、ドイツ側の需給リソースと組み合わせたバーチャルパワープラントを構成することで、その電源も電力取引に活用する。

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