──今回、一部に画像生成AIを使ったとのことですが、どのツールをどのように使ったのでしょうか
後藤:背景画像に(一部)画像生成AIを使っています。スーパー野田ゲーMAKER制作に当たってのクラウドファンディングでは、リターンとして支援者のイラストや顔写真、ペットの画像を使うという特典を用意しました。数も集まったのですが、それだけではゲームジャンルごとの世界観に合う素材が足りなかったので、画像生成AIで補いました。
具体的には、商用利用や著作権的にも問題ないということで、Adobeの「Firefly」を使っています。デザイナーにプロンプトをもらって画像を生成しました。
ちなみにスーパー野田ゲーMAKERでは、(ユーザーが作った)ゲームのタイトルも野田AIが名付けるのですが、その候補出しにもChatGPTを使いました。「RPGっぽいタイトル300個出して」とアイデア出しし、さらに(人間が)選んだり組み合わせたりして絞った候補の中から、野田AIが選び出すようにしています。
ChatGPTは、個人的にもアイデアを大量に出す用途などでしょっちゅう使っていますね。もちろん、そこから自分のセンスで選び出すなどの作業も必要ですが。
──今後、さらに画像生成AIを活用する場合、どんな用途で使いたいかイメージはありますか
野田クリスタル:仮にスーパー野田ゲーMAKERの新作として、3Dゲームを作れるゲームを作ることになれば、生成AIを使わざるを得なくなると思っています。
スーパー野田ゲーMAKERは一般の方から送られてきた(画像などの)素材を使っているんですが、3D素材を持っている人が一般的というわけでもないので、恐らくAIに頼まないと作れない。もしかしたら、マップ生成や人物を作る際にAIに必須になるかもしれません。名前に「生成AI」がつくようなゲームになるのかな? ともイメージしています。
──話が脇道に逸れるのですが、野田さんは本業であるお笑いでAIを活用する意欲はあるのでしょうか
野田クリスタル:まだ公表はできないのですが、AIとお笑いにまつわる方向性でやりたいことがあります。動かしている段階なので、詳細は追い追い。
──最後に、今後生成AIがどのように社会に浸透していくと思うか、お二人の考えを教えてください
野田クリスタル:インターネットが社会に浸透し始めたころと同じ匂いだな、と感じています。まだ何のルールも決まってなかったころを思い出しますね。AIがスマホに入っていくなど身近になり、ネットと同じく知らぬ間にAIを使っていく社会になっていく──ということが、いま起きていると思います。
そうなると当然、ネットと同じようにいろんなトラブルが発生します。そして「これをしたら全て解決する」という手段もない。AIもネットも、小さい問題が出て、それに対して新しいルールを作ってを一生繰り返すんじゃないかと。
後藤:生成AIに対してはポジティブな意見とネガティブな意見の両方があって、後者の気持ちも分かるんです。例えばうちに小学校の子どもがいるんですが、最近宿題をAIでやっちゃうんですよね。
でも、AIに掛け算の問題300個出して、と頼んで勉強してもらう使い方もできます。子どもの例でいえば、「勉強しなくなるんじゃないか」というネガティブな意見もありますが、役立てる方法をちゃんと教えて、ネガティブを上回るメリットを提示してあげれば、子どもも賢くなり、怠けもしなくなるので、ちゃんと大人がサポートしてあげるべきだと思います。
同様に「こうすればもっと良くなるのでは?」とポジティブに伝える人が増えれば、ネガティブな風潮ばかりでもなくなっていくと思います。
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