ChatGPTの登場から数年。後続サービスも続々と誕生し、ビジネスにおいて生成AIの活用は当たり前になりつつある。一方、毎日のように更新され続ける情報に追い付けず、まだその真価を発揮し切れていないという人も多いだろう。
そこで本連載では、エグゼクティブやインフルエンサー、企業内のAI活用推進者などの生成AI活用法に注目。圧倒的な実力を発揮する“トップ人材”たちは、どんな生成AIをどのように使いこなしているのか。そしてそんな人材を抱える企業は、どのようにAIを利活用しているのか──業界や職種を問わず追いかける。
今回は、インターネットイニシアティブ(IIJ)の“名物広報”としても知られる堂前清隆さん(技術担当部長)によるAI活用術を紹介する。
SNSの投稿を収集して分析するツールは以前から複数存在しています。なかには形態素解析という手法で日本語の文章を分析してくれるツールもありますが、こういったツールは”文脈”を読むのが苦手です。
例えば「IIJのSIMが安い」と「IIJの株価が安い」は全く異なる文脈ですが、どちらも「IIJ」「安い」でまとめられてしまうような事も発生します。また、形態素解析の結果は単語がバラバラに並んでいるようなもので、そこからは元の投稿がどういった主張をしているのか推測するのは困難でした。
AIを使うと「文脈」を読んで話題を分類できます。つまり、「IIJのSIMが安い」と「IIJの株価が安い」を別々の話題として認識して、別個に分析できます。こうして話題ごとにグルーピングを行い、それぞれのグループに対するサマリーを作らせることで、全ての投稿に目を通すことなく、だいたいどういう話題で盛り上がっていたのかの感触をつかめます。
ただし、ご存じの通り現在のAIの回答は不完全です。最終的にはAIが生成したレポートを元に、目視で確認を行うことが必要でしょう。あくまで感触をつかむ、とっかかりのために使っています。
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