鳥取県議会は6月30日、「鳥取県青少年健全育成条例」に関し、生成AIを利用して実在する子どものわいせつな画像を作成する“性的ディープフェイク”に、行政罰を導入する改正案を可決した。同県に居住、または通学・通勤する子どもの性的ディープフェイクの作成・提供に、5万円以下の過料を科す。
鳥取県青少年健全育成条例を巡っては、4月に改正条例を施行。生成AIを利用して作られたわいせつな画像も「児童ポルノ」に当たると明記のうえ、こうした画像の作成・提供を禁止していた。
今回の改正案では、禁止していた児童ポルノの作成・提供に行政罰を導入する。これにより、同行為に5万円以下の過料を科し、画像の廃棄や削除を命じることができるようになる。また、この命令に従わない場合、追加で5万円以下の過料を科す。
他にも改正案には、被害を受けた子どもやその家族に対し、同県が財政的な措置を含めて適切な支援を受けられる環境を用意することなども盛り込まれている。
鳥取県議会は、今回の改正案に関し、「国に対し、法で規制される児童ポルノについて、生成AIなどにより作成されたものも対象になることを明確化し、厳正な取り締りを行うよう、引き続き、強く働きかけること」にも留意して運用するとしている。
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