「G-SHOCK」新作、AIを活用した開発の実態は? カシオが語る“カッコよさ”を作るための工夫(3/3 ページ)
「AIで作ったG-SHOCKか、すげえな」とはならない
MTG-B4000の発売から約1カ月、ユーザーの反応はどうだったのか。泉さんは「お客さんにはたぶん、AIのところは一切響いていない」と明かした。一方で「それでいいかなと思っていた」という。
「『AIで作ったG-SHOCKか、すげえな』とならないことは、企画時から想像がついていた。あくまでMT-Gラインの新作ですと。今、最もMT-Gのなかで進化したバージョンがこれですというのが前面にあった。AIは、あくまでそれを補佐するツールでしかなかった」(泉さん)
もちろんAIがあったからこそ、新たな構造が生み出せたという側面はあると泉さん。それでも、ユーザーに響くのは「カッコいいかどうかに尽きる」と指摘。「本末転倒な企画」にならないよう意識していた。「もっと軽く、着けやすくと、AIにやらせていくと、謎の細い線でできた『これ、G-SHOCKなの?』みたいなものになってしまう。そこは目指していなかった」(泉さん)
効率化とは“ちょっと違う”AIの使い方、今後は?
泉さんは、今回のAI活用について「(開発の)時間がすごく短くなっているかというと、実はそうではない」と語る。というのも、アイデアを試行錯誤する回数が増えたためだ。「世の中でいう『AIによる効率化』とはちょっと違う使い方かなと思う。新しい形を発見していくためにAIを使っていた」と振り返った。
また試行錯誤が増えた結果、今回は使われなかったボツ案も多く生まれた。こうした案については「ちょっと次の新商品で使えそうだな」と思うものもあったという。
今後も、G-SHOCKシリーズの開発でAIを活用するのか。泉さんは「企画のコンセプトに応じて使い分けをしようかなと思っている」と展望を明かした。商品企画とデザインチーム、設計チーム共同で検討し、コンセプトに沿う場合はAIを活用する予定だ。
「われわれG-SHOCKチームは、昔ながらの作り方をしつつ、例えば素材などで、必ず新しいものを取り入れる開発をしている。すると、やっぱり新しいものが生まれてきて、次の開発につながっていく。(今回は)小さな1歩だと思うが、次はAIと別の何かを掛け合わせれば、シナジーが出るのではないか。そんな具合で掛け算式に増えていく。そこは今回、チャレンジしてみて良かった」(泉さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
「Claude Fable 5」「Mythos 5」全面停止 米政府の指令により Anthropicは早期復旧を宣言
-
2
最新AI「Fable 5」でYouTube動画作ってみた 想像以上の出来に驚愕、ただし大きな弱点も
-
3
「ChatGPTのコネクタでつながるし、M365 Copilotいらなくない?」→有識者3人に聞いてみた 知らないと損するコンテキスト管理「Work IQ」の仕組み
-
4
データセンター建設に足りないのは「発電」ではなく「送電」 AI需要で電力消費26%増、Gartner予想
-
5
“AIが電力使いすぎ問題” 「電力不足」懸念で、発電能力より深いボトルネックとは
-
6
「もはや宗教」のClaudeに焦るOpenAI 流出メモが暴いた覇権交代のリアル
-
7
「猫も杓子もAI」な現状は今後も続くのか?【後編】AI時代に必要な3つの検討事項
-
8
トヨタが抜かれる日――キオクシア首位奪取、2005年「時価総額トップ10」を振り返る
-
9
Anthropic、「Mythos 5」「Fable 5」の提供を一時停止 米政府指示を受け
-
10
中国が人型ロボット開発競争をリードする「納得の理由」 日本に残された逆転シナリオは?
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR