デジタル庁は10月2日、米OpenAIとの連携を始めると発表した。同庁内で展開する生成AIプラットフォーム「源内」(げんない)で、OpenAIの大規模言語モデル(LLM)を活用したサービスを使えるようにする。これにあわせ、OpenAIは、政府が定めるセキュリティ要件を満たすクラウドサービスを示す「ISMAP」(イスマップ)の取得を目指す。
源内は、同庁が5月から利用している内製のAIプラットフォーム。AIチャットや文章作成、翻訳などの基本機能のほか、国内の法制度を調べられるAIアプリ「Lawsy」や、国会答弁を検索できるAIアプリなど、行政業務を支援する機能も備える。
これまで、源内の基本機能では、米AmazonのAIモデル「Nova Lite」と、米AnthropicのAIモデル「Claude 3 Haiku」「Claude 3.5 Sonnet」が利用できた。今回の協力により、OpenAIのAIモデルも新たに利用できるようにする方針だ。
また同庁は、行政の業務効率化などを目指し、行政機関向けのAIアプリの開発・実証でも、OpenAIとの協力を視野に入れる。詳細は今後検討するという。
一方OpenAIは、今回の連携に当たり、ISMAPの取得を目指す。他にも、日本政府が主導する、AIの安全性・信頼性に関する国際的なガイドライン「広島AIプロセス包括的政策枠組み」に賛同するとしている。
デジタル庁は今後、2026年1月以降をめどに、一部省庁と連携して源内の利用範囲を拡大。4月以降には、源内を他省庁に本格展開する方針を掲げている。
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