富士通は2月3日、国や地方自治体が、法律や条例改正時などに国民から意見を求める「パブリックコメント」を整理する業務に、同社とカナダCohereが共同開発したLLM「Takane」を活用する実証実験を行い、効果を確認したと発表した。
実験は特定の中央省庁と協働して2025年に行い、職員が有効性を確認。実験の成果を基に、政策立案や法律制定のプロセスに幅広く応用できる生成AIサービスの開発に着手し、2027年3月までの提供を目指す。
パブリックコメントは、テーマによっては数千〜数万件の意見が殺到するケースもある。行政職員は、寄せられた意見を賛否で分類したり、既存の関連法令との整合チェックを行ったりした上で、回答案を作成して対応方針を検討しており、結果公示までに1カ月間以上かかる場合もあった。
実証実験では、過去に実際に中央省庁に寄せられた合計約12万文字のパブリックコメントのデータに対し、LLM「Takane」を活用して、賛否の分類や意見の要約といった分析を行ったところ、10分程度で分析を終えられたという。
パブリックコメントと対象の法令案の整合チェックにも「Takane」を活用したところ、全体の8割を超える意見について、法令案の条項に該当する意見のカ所を正しく回答できたという。
今後は実証実験の結果を踏まえ、法制執務のプロセス全般に対して、適切なAIモデルやツールを組み込むAIワークフローの構築や、調査・調整を自律的に支援するAIエージェントを開発し、2027年3月までの提供を目指す。
同社は、AIツールの提供により、行政職員が、意見の中身の検討や政策への反映という、より重要な判断業務に時間を割けるようになると期待している。
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