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» 2008年09月22日 17時55分 公開

「正しい」怒り方、教えます:自分の怒りに気付いて、解消する方法 (2/2)

[平本あきお(構成:房野麻子),ITmedia]
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「愛してほしい」と率直に――親子の場合

 私がカウンセリングでやっていることは、この怒りのフタを外してあげることです。怒りやイライラのフタを取ってみると、実は悲しみの裏返しであることが分かります。

 例えば、子供が父親や母親に怒りを感じることは一般的によくありますが、よく話を聞いていくと、実はあの時、お父さんに見てほしかったとか、お母さんにこんなふうに愛情を注いでほしかった、という場面が出てきます。

 悲しみの裏返しとはつまり、愛情の希求です。

 かつて、親から言われたことに強いショックを受けて、それ以来イライラしているけれどその気持ちを押し殺してきた子供が、カウンセリングによってフタが開けて、「本当は悲しかった、もうちょっと愛してほしかった」と気が付くこともあります。

 そうなれば、今度は怒りで対応するのではなくて、その時の気持ちを親に直接話すようにします。そうしていくことで関係が改善されていきます。実際、怒りや悲しみは、愛情で満たされることでほとんど解決します。

「認めてほしい」と率直に――上司と部下の場合

 同じようなことが上司と部下にも当てはまります。

 上司に対してひどくイライラするのが、裏返してみたら、「自分の扱いがほかの同期社員と違っていたことがあってショックだった。本当はもっと認められたい」ということである場合があるのです。

 この場合も、自分の認められたいという気持ちに気が付いて、上司に自分の思っていることを具体的かつ率直に話して、さらに上司も、「そうだったのか。悪かった。悪気はなかったんだけど、確かに不公平があったかもしれない」と認めると、大抵は解決します。怒りが愛に変わることで解決されたわけです。愛情という言葉に違和感があるとしたら、「認められる」と言い換えてもいいですね。

 このように、怒りは目的として使われています。怒りではなくて、もっと建設的な方法を使って目的を達成したいですね。あなたには、気が付かないうちに冷たく、そっけなく接してしまっている人はいませんか?

 もしかしたら、その人に対して怒りやイライラするものを感じているのかもしれません。一度、そのフタを開けてみてください。本当は寂しかった、認めてもらいたかったということに気付いて、そのことをオープンに伝えることで、怒りが愛情に変わってイライラも解消されるかもしれません。


 次回からは怒った方がいい3つの場面と、怒ってでも守るべき3つの権利についてお話ししていきます。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本あきお(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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