Internet Explorerの右クリックメニューに[対象をファイルに保存]という項目がある。これ、なんだか不思議な日本語だと思いませんか。
2010年02月23日〜2010年03月01日
先週のBiz.IDで最も読まれた記事は「源泉徴収票の見方、教えます」。前回のアクセスランキングに続き、2週連続で1位に輝いた。3位と10位も、同じく「個人事業主もサラリーマンも読める『税金の話』」からのランクインだ。
最近、通勤電車の中で『日本人の英語』(マーク・ピーターセン著/岩波新書)という本を読んでいる。日本人が犯しがちな英語のミスを、日本語と英語の構造の違いから解説するという内容で、20年以上前の本だがまったく古臭さを感じさせない。日本生活が長い著者ならではのエピソードも豊富で、学習書としても読み物としても面白い。
日本人が使う英語にはおかしなところが多々あるようだが、それを言うならば外国で見かける日本語にだって不思議なものは多い。また、外国発のソフトウェアやWebサービスをローカライズしたものの中にも、首をかしげてしまうような表現をよく見かける。
筆者が最近ふと、「あれ? これってどうなの?」と感じたのは、[対象をファイルに保存]という言葉。おなじみInternet Explorer(IE)で、リンク上で右クリックすると出てくるメニューの1つだ。
これが「対象を保存」だけならばしっくりくるのだが「ファイル“に”保存」というところがどうもひっかかる。英語版では[Save Target As ...]というメニューのようだが、この日本語が訳として適しているのかどうかはよく分からない。
ちなみに、その他の主要Webブラウザではどうなのか気になって調べてみたところ、結果は以下のようなものだった。バージョンはすべて最新版だ。
・名前を付けてリンク先を保存(Firefox)
・名前を付けてリンク先を保存(Google Chrome)
・リンク先のコンテンツを保存(Opera)
FirefoxとGoogle Chromeはまったく同じだ。個人的には、Operaがもっともしっくりくる。
やはりIEの[対象をファイルに保存]だけ、何とはなしに違和感を覚える。できるだけ原形を変えずに言い替えをするならば、[対象のファイルを保存]といったところが妥当かと思うのだが、いかがか。
ちなみに、こうしたおかしな例はもちろんWebブラウザだけにとどまらない。筆者が常用しているあるクライアントソフトは、タスクトレイに常駐しているところを終了しようとすると、[脱出]というなんとも勇ましいメニューが出てくる。たぶん[Exit]のことだと思うのだが、この「脱出!」を仕事中に見るとけっこう和んだりするので、もうちょっとこのままでいてほしいと思っている。
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