解答例は下図のようになります。
「投資」主体の違いが一目で分かるように工夫してあることに注意してください。細かい工夫としては、以下のような項目があります。
まず1つは、「取引」と「投資」で、矢印のスタイルをハッキリ変えてあることです。「取引」にも投資と同じスタイルの矢印を使ってしまうと、「投資主体が移っている」ことに気がつくまでにほんの数秒ですがよけいに時間がかかります。
もう1つは、「加盟店」ではなく「加盟者」という文言を使っていることです。原文では「加盟店」でしたが、「店」が入っていると「店舗」と紛らわしいため、「加盟者」に変更しました。こうして「加盟者」と「店舗」を図の上で分けたことで、「投資主体が移っている」ことが明確になるわけです。
このように、「違いのあるポイントを一点に絞って、それが分かるように視覚化する」ことは、図解が苦手な人が図解の壁を突破するために非常に良い方法です。
とはいえ、「違いのあるポイントを一点に絞る」ことがそもそも難しいのですが、それは図解を使わなくても必要なことです。ぜひ、まずはそこから試してみてください。
なお、「一点に絞って視覚化する」のは、とりあえずやり始めるときのとっかかりとしてそんな方法を使うだけで、最終的にはそれにこだわる必要はありません。「知識を教えるティーチング」の場面では、
という研修技法を使うこともあります。このあたりがプレゼンテーションとティーチングの異質なところです。
ですが、「図解」自体に苦手意識がある場合は、まず「違いを一点に絞ってそれを表現することを考える」ほうがやりやすいので、まずはそこから始めてみてください。それができてから、「2つめの違い、3つめの違い……」を図解に取り込んでいっても遅くありません。
実際、それをやってみましょう。もし、図2に対して下記のような違いを盛り込むとしたら、どんな図に修正しますか? それを考えてみてください。
(A)通常、フランチャイズ・チェーンの「加盟店」はレギュラー・チェーンの「支店」よりも数が多く小規模である
(B)フランチャイズ・チェーンでは、「加盟店がバラバラに本部と契約する」のに対して、ボランタリー・チェーンでは「加盟各社が一致協力して本部をつくる」形になる
答えは、次回お見せします!
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IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』、
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