白紙のMOLESKINEに書き殴るための心構えあなたの不安、見積もります

MOLESKINEと言えば、有名な文豪も愛用した「伝説のノート」です。「堅牢さ」や「ボリューム」が魅力ですが、高級感もあって「もったいなくて書けない」という人も多そう。これではせっかくのノートも宝の持ち腐れですね。

» 2010年09月24日 17時10分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]
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 9月16日、豚組しゃぶ庵にて行われた「モレスキン本の出版記念パーティ」で、ちょっとしたことがありました。

 「モレスキン本」とはLifehacking.jpの堀正岳さんと、モレスキナリーの中牟田陽子さんの共著で、正式には『モレスキン「伝説のノート」活用術』と言います。名前の通り、MOLESKINEの活用術を解説したもの。こういう本は、実はこれまで世界のどこにもなかったそうで、この本が出たおかげで「モレスキン手帳を使いたくなった」という人もたくさん登場したようです。

 冒頭の「ちょっとしたこと」というのは、MOLESKINE独特の高級感せいで起こることです。パーティ会場では、真っさらな真新しいMOLESKINEを手にしてちょっと困っている人々がちらほら。「もったいなくて、なかなか書き込めない」という人が多いのです。何から書きだしたものか、1文字も書けずに手が止まってしまうようでした。


 MOLESKINEのことで困ったときこそ「モレスキン本」です。もともと「迷えるMOLESKINEユーザー」のために書かれた「モレスキン本」ですから、迷ったら本を開いてみましょう。

 著者によると、MOLESKINEにこだわる理由の第1は「堅牢さ」を、第2は「ボリューム」です。つまり、何かが心に発生したら、すかさずそれを受け止めてくれる堅牢性や容量をMOLESKINEが持っているというわけです。

 決して、MOLESKINEが格好いいから、それが欲しかったからだけで購入して、その後書き込むことを考えた――というわけではないのです。心に浮かんだあらゆることを書き殴っても、破損したり散逸することなく、何年経ってもさほど劣化しない。しかもなかなか紙面が尽きない。そういうノートでなければ安心できない。安心できるノートはMOLESKINEしかなかった。そういうことなのです。

 もったいなくて、1ページ目になかなか書き込めない、という気持ちは分かります。が、その感覚ではモレスキンを活用するのは難しいかもしれません。「モレスキン本」の精神で言うと、書き殴れるからMOLESKINE。格好いいから買ったというユーザーも、ぜひ書き殴ってみてください。もしかしたらMOLESKINEの魅力を再発見できるかもしれませんよ。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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