「本当のプラス思考」を身につけよう「職場がツライ」を変える会話のチカラ(3/3 ページ)

» 2010年10月08日 09時30分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]
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あなたが変わっていくことで、周りも変わっていく

 本当のプラス思考とは、「プラス思考しよう」としてプラスにしているわけではありません。自然とプラスに考えられるので、あえてプラス思考する必要がないのです。

 ですので、ぜひあなたも湯船にお湯をためてみてください。情報を選択すればいいだけなので、それほど難しいことではありません。気軽にやってみてください。

 第1回目の記事で、「これからお話ししていく『会話術』を少しずつ実践していくことで、同じ職場で働くスタッフたちが前向きになるだけでなく、あなた自身も少しずつ前向きになることに、お気づきになると思います。その理由は、最後の章でお話しします。それはきっと、あなたにとって、とてもうれしい変化だと思いますよ」と書きました。

 その理由は、あなたが仲間とコミュニケーションする際に「肯定的に伝える」「前向きに問いかける」「肯定的な意味づけ」など、連載で取り上げた小さなアウトプットを実践することで、自然に湯船にお湯がためられるようになっているからです。

 そして、あなたが前向きに変わっていくことで周りが変わり、職場の雰囲気も変わっていくことにお気づきいただけると思います。

最後に

 6回にわたり、職場の環境をより良くして、働きやすい職場を作るポイントを、概念を中心にお話してきました。

 これまでの連載を読んで、「考え方はよく分かる。でも、相手のために、職場のために自分を変えることなどできない」と思う人もいるでしょう。それも不思議ではありません。著者自身「相手のために、スタッフのために、あなた自身が変わるのです」と書かれた本を前に、「それができれば苦労しない」と思ったことが幾度となくありました。

 出版社のWebサイトに掲載している拙著のまえがきにあるように、著者はもともと、職場をまとめる仕事をしたくなかったタイプです。職場をまとめる勉強を始めたのは、実は「早くリーダーの仕事を片付けて、この職場からおさらばしよう」という、「自分のため」がきっかけでした。「早くおさらばしたい」という気持ちが、日々の会話を少しずつ工夫させたのでしょう。

 人はみんなそれぞれ違いますから、会話を工夫して、反応があったもの、なかったものさまざまでした。ですが、少しずつ工夫することで、笑顔を見せてくれるスタッフが現れてきました。それまでプレッシャーで追い込んだり、一方的に指導やアドバイスをしていたスタイルから、これまでに伝えてきたスタイルに変えることで、本音を話してくれるスタッフが出てきたのです。

 変わっていくスタッフの表情を見ていたら、「自分が始めたことで周りの反応が変わったなんて、うれしいな」「チームで仕事をするのって、楽しいな」と思えるようになってきました。会話の工夫を始めた最初のころは、「職場をまとめる仕事などしたくない」「自分のために」と思っていたのに、このころから「相手のために」「職場のために」と思えるように変わってきたのです。不思議ですね。

 「この職場、嫌だな。でも、どうせ働くのなら楽しい職場のほうがいいな」――このような「自分のため」からでかまいません。実際に小さな会話の工夫を始めてみてください。自分から始めたことで周りの反応が変わってくると、次第に楽しくなってきます。

 みなさまの職場が働きやすくなり、毎日楽しく仕事ができること、ワクワク充実した日が1日でも増えることを願ってやみません。

著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。ビジネスコーチ、人財育成コンサルタント。自動車メーカー勤務、ソフトウェア開発エンジニア、同管理職を経て、現職。エンジニア時代に仕事の過大なプレッシャーを受け、仕事や自分の在り方を模索し始める。管理職となり、自分が辛かった経験から「どうしたら、ワクワク働ける職場が作れるのか?」と悩んだ末、コーチングや心理学を学ぶ。ちょっとした会話の工夫によって、周りの仲間が明るくなり、自分自身も変わっていくことを実感。その体験を基に、Webや新聞などで幅広い執筆活動を行っている。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』がある。Twitterのアカウントは「@takewave」。


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