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» 2011年03月04日 10時20分 公開

65万円の控除を青色申告で得る“超”具体的な方法(やよいの青色申告編)イチから分かる確定申告(2/4 ページ)

[奥川浩彦,Business Media 誠]
やよいの青色申告11

 筆者が起業以来使用している「やよいの青色申告」シリーズの最新版「やよいの青色申告11」。個人事業主向けの市販ソフトとしてはシェア1位、実勢価格は8000円前後だ。

 毎年バージョンアップを繰り返しているが入力画面などはほとんど変化なし。最新版は、仕訳の事例を確認できる「仕訳アドバイザー」を一新。内容は昨年の2.5倍、調べた仕訳結果のところに用意した仕訳作成アイコンをクリックすると、仕分け作業の画面に直接飛ぶこともできるようになった。


仕訳ミスが最悪脱税に!?

 仕訳というと専門用語のように聞こえる人もいると思うが、要は発生した取引を勘定科目に分類すること。水道料金は「水道光熱費」だし、出張時の宿泊代は「旅費交通費」だ。複式簿記なので借方と貸方の双方の数字を入力することになる。

 問題は「この費用、いったいどの勘定科目に仕訳したらいいの?」という場合。間違って「売上高」とするべき取引を「預り金勘定」などにすれば収益の過少計上となり、最悪脱税と受け取られかねないのも事実。過少申告加算税や、場合によっては重加算税などを納付せざる得ない事態に陥る恐れもある。

 もちろん仕訳のミス自体は後から修正も可能だ。収益に関わらない部分であれば、それほど大きな影響もないだろう。だが、余計な疑いをかけられないに越したことはない。特に個人事業主の場合は信用が重要だ。税務署の立入検査が入ったとなったら、取引先から今後のビジネスを断れる場合もあり得る。

 そこまで深刻なケースでなくとも、「せっかく明日にでも税務署に申告しに行こうと思っていたのに仕訳が間違っていたから打ち直し……」ということも十分想定できる。経費などの勘定科目自体の金額は、ほとんど変わらなくても仕訳自体で節税になるケースもあるからできるだけ正確な仕訳をしたいのだ。

約2300の仕訳事例、2011年春にはソーシャルな仕組みも

仕訳アドバイザー
仮に情報サービス業として、「売上」の取引状況例を一覧
仕訳例はこんな感じで表示する

 「ミスも怖いけど、そもそもどの勘定科目を選べばいいのか」という青色申告初心者うってつけなのが、ページの冒頭で紹介した「仕訳アドバイザー」。約2300の事例から仕訳や勘定科目を検索できるスグレモノだ。しかも、仕訳アドバイザー単体であれば弥生製品以外のユーザーも利用できる。

 例えば事業形態で「個人」を選択し、業種は「情報通信業」の「情報サービス業」を選択したとする。勘定科目「売上」を見てみると、「商品を掛売りした」「先日販売した商品が不良品のため返品された」「代金後払いで商品を販売し、その際に値引きを行った」「現金販売した商品の一部が返品されたため代金を現金で支払った」――など具体的な取引状況を一覧できる。

 「代金後払いで商品を販売し、その際に値引きを行った」の仕訳例を見てみると、借方科目は「売上値引高」、貸方科目は「売掛金」、摘要は「値引き」とのこと。ポイントとして「借方の税区分は『課税売返』です」とまで書いてある。ここまで書いてあれば悩むことはなさそうだ。

 なお、弥生会計ややよいの青色申告といった弥生のソフトを使っているユーザーであれば、仕訳アドバイザーの仕訳例から直接ソフト上で仕訳も作成できる。このあたりの連係はユーザーメリットも大きいので仕訳に悩んだら活用したい。ちなみにこの仕訳アドバイザー、2011年春からは仕訳した事例をユーザーが登録できるようになる予定で、さらに事例が増えていくことになるだろう。

 せっかく難しい仕訳が簡単になったところで、そうした機能が使いづらくては仕方がない。弥生会計ややよいの青色申告であれば、仕訳辞書や摘要辞書などの辞書機能に繰り返し使用するであろう取引がすでに登録済みで、さらに自分がよく使う取引も簡単に追加できる。例えば、コンビニでの購入が増えてきて、毎回毎回ローソンだのセブン-イレブンだのと入力しなくちゃいけなくなっても、毎回入力しなくてもいいわけだ。

 仕訳辞書をはじめ、勘定科目などには「サーチキー」の設定も可能だ。ローマ字、カナ、数字などのキーワードで登録しておくことで、途中まで入力すればすぐに任意の科目や辞書が選択できる。


左が仕訳辞書。右がサーチキー

決算処理や確定申告書は実際の書面のイメージを見ながら

 決算処理も大幅に強化。従来の印刷イメージの確認から実際の決算書を見ながら入力する方法に変更した。決算書の画面は別ウィンドウで開くようになったので、実際に使用すると操作性がかなり向上した感じだ。確定申告書も実際の申告書のイメージを見ながら入力する方法に変更し、分かりやすくなった。

 ちなみに数字の入力にも注目。電卓の一部に[000]キーが備わったものがあるが、弥生会計ではPCのテンキーで同様の入力が可能。テンキーの上の方、「8」の上に「/」(スラッシュ)キーを金額欄で押すと、「000」とゼロが3つ入力できる。1万なら「1」「0」「/」でOKだ。

 ちょっとした計算をしてから入力したい場合もあるはず。例えば123円と456円を足した金額は、金額欄でF4キーを押してみよう。電卓の画面を表示するので、そのままテンキーで「123+456」と入力してEnterキーを押せばいい。計算結果の「579」がダイレクトに金額欄に入力できる。

 いずれにせよ、入力すればリアルタイムに売り上げやコストの数字が把握できるのが一番の特徴。操作性に優れているからこそ、そうした数字も正しく把握できるし、入力した自分自身が会社の状態を細かく管理できるのである。まさに個人事業主であったり、小規模の事業者であれば責任者が負担なく会計作業を行え、同時に会社の実状も数値ベースで分かるようになっている。

初心者は体験版で試してみては?

 既存ユーザーが新しいバージョンを購入する最大のメリットは、税制改正だろう。特に2011年は大きく変化する。価格的にも手ごろなので筆者は毎年最新バージョンを使用している。

 実際に「やよいの青色申告11」を使ってみるなら、「やよいの青色申告11」の体験版がオススメだ。今まで青色申告をしていない人、税理士任せの人、手書きで苦戦している人、そろそろ起業を考えているが経理に不安のある人も無料で体験できる。

 この体験版は、起動した日から30日間使用可能、機能は製品版とほぼ同じものだが決算、申告の機能は使用できない。製品購入後に製品登録番号とシリアル番号を入力し、認証すればそのまま製品版としても継続して使用できる。

 「インストールも面倒」と思う人は「やよいの青色申告11」バーチャル体験も用意。Flashを使用したインタラクティブなコンテンツで、デモの途中で実際にクリックできたり、数値や文字入力ができたりするなど、なかなか秀逸だ。

 またYouTubeの「yayoitv」には各種動画もアップ。購入者向けの特典映像も簡単取引入力決算申告などの機能を動画で確認できるわけだ。

動画が取得できませんでした
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 「65万円をゲットしようと思っていたのに、余計に税金を納めることになってしまった」ではシャレにならない。やよいの青色申告をぜひ活用して欲しい。

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