面白いのは、次の一文です。
older people tend to assume they are less attractive and athletic than other people their own age.
訳:年をとった人は、自分と同じ年齢の他の人に比べて、より魅力がなくなり運動能力も落ちたと過小評価する傾向がある。
同じ年齢なのに! とつっこみを入れたくなりますね。しかし何となく、同年代で比べた時に「あいつの方が若々しい、モテてるorモテそうだ、髪が……」などなど。羨むことが多いのには少し納得します。
ではこのどうにも難しい「自信」の取り扱い。Harvard Business Reviewに載った2番目の記事では、自信のない人の方がより成功すると述べています。しかも、記事コメントは約200件。軽く炎上しています。
著者のTomas Chamorro-Premuzic氏によると、
self-confidence is only helpful when it's low.
訳:自分への自信は低い時に限って助けになる。
とのこと。ただextremely low(極端に低すぎる)のはダメで、その案配がどうにも難しいのです。
先のクルーガーの平均以下効果を発揮している自信のない人の方が、自信満々の人よりも成功するとした要因は、以下の3点でした。
(1)Lower self-confidence makes you pay attention to negative feedback and be self-critical
訳:低い自信はネガティブなフィードバックへの傾聴を促し、自分自身に対して批判的になれる
(2)Lower self-confidence can motivate you to work harder and prepare more
訳:低い自信はさらなる勤労・勉強と、さらなる準備に向けたモチベーションを起こさせる
(3)Lower self-confidence reduces the chances of coming across as arrogant or being deluded
訳:低い自信は傲慢(ごうまん)になったり勘違いしたりといった傾向を減らしてくれる
さて、そのような心理学的傾向を踏まえながら、人事のデータを見ていくことも、1つ参考になるのではないでしょうか。
360度評価(360度フィードバック、多面評価、多面観察、などいろいろな言い回しがありますね)を実施する際には、自己評価(認識)と他者評価(認識)を比較し、そのギャップに着目していくのが、最も適切やり方となります。
つまり、
といった対策が必要になります。自分自身、そして皆さんの周りの人は、どのタイプが多いでしょうか。認識のギャップが成長の妨げになっていたりしていないでしょうか?
過小評価型ハイパフォーマー皆さんへのメッセージが、最初の記事にありましたので、これで締めたいと思います。
The moral of the story is simple: sometimes we do ourselves down, especially when faced with a difficult task or when we have special skills. Under these circumstances we are better than we know.
訳:このストーリーの格言はシンプルなものだ:われわれはよく落ち込むことがあるし、とりわけすごく難しいタスクに直面したり特別なスキルが必要になる時にはなおさらだ。でもこういった事態に遭遇した場合、自分が思っているよりはきちんとできるはずだよ。
※この記事は、誠ブログの「未来の人事を見てみよう:それほど自信のない人のほうが、より成功する?」より転載、編集しています。
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