プレゼン成功の秘訣――朝、声に出して読んでおく明日から「朝型人間」になる!(2/2 ページ)

» 2013年11月11日 08時00分 公開
[美波紀子,Business Media 誠]
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朝の音読は一種のスポーツ

 新聞記事の音読なんて退屈で長続きしそうもない、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。私自身もそうですが、実際にやっている人のほとんどがハマっています。その理由は楽しいからです。

 やってみると分かりますが、大きく口をあけて音読するのは、意外にエネルギーが必要です。両腕を広げて新聞を持ち、両足をやや広げて立って読むと腕や脚に負荷が掛かって筋肉を鍛えているような快感もあります。

 しっかり声を出すためには深く息を吸うので、肋骨が開きます。結構難しい記事を読むので、目も脳も神経もフル回転。しかも、口を大きく開けるとき、顔中の筋肉が動くのでここでもかなりのエネルギーを使います。

 エネルギーを消費し、呼吸が深くなり、脳や目の神経が集中する、というのはスポーツと一緒です。つまり、新聞の音読にはエクササイズの要素があるので、終わったあとに気持ちのよい達成感や充実感があります。だから、楽しいのです。だから、ハマるのです。

 せっかく早起きしたからには、テキパキ働いて時間を無駄にしたくないと思います。そのためには少しでも早く副交感神経を退散させ、活動的な交感神経に登場してもらう必要があります。

 音読は一種のスポーツですから、その役目にピッタリなのです。音読している間、頭がクリアになり、だんだん楽しい気分になってくるのを感じますが、これは次第にセロトニンが増えて交感神経の動きが活発になってきた、という証拠でもあります。

音読習慣は滑舌を良くする

 音読は、長年の私のコンプレックスを解決してくれました。私はもともと声量が少なくて、大きな声で話すのが苦手でした。声が小さくて会話している相手の人から聞き返されることがよくあったのです。しかも、滑舌が良くないらしいのです。

 い、え、あ、お、う、と口を大きく開けて発声練習をしたこともあります。早口言葉を繰り返したときもあります。でも、長続きせず、気が付けばボソボソとした話し方に戻っているのがいつものことでした。

 ところが、新聞の音読を始めてからというもの、私の声にも話し方にも変化が表れたのです。経済記事には早口言葉のような言いまわしがよく出てきます。それを声に出して読んでいるうち、舌がまわるようになったのだと思います。

 例えば、

 「代替火力発電用燃料の調達拡大」

 「米国景気の回復期待と輸出採算」

 「先進国向け輸入出の増大」

 「LNG液化天然ガス価格の多様化」

 などのフレーズが毎日のように出てきます。初めのうちは舌を噛みそうでしたが、今では苦もなく発音できるようになりました。それにつれて、話し相手に「え? 今何て言った?」と聞き返されることもなくなったのです。いつの間にか私の滑舌は改善されたようです。これは、大きな収穫でした(次回、「音読で危機を脱した若い編集者」)。

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