「smart.fm」に聞く英語学習のハードルを低くする方法
勉強する機会は幾度とあれど、いまでも習得できていない「英語」。モチベーションを保ちつつ、懐が痛まない英語習得法はないものだろうか。学習アプリケーションを無料で提供するWebサービス「smart.fm」を運営するセレゴ・ジャパンを訪ねた。
外国の人の話を理解したい、直接話をしたい――もう習得済みという人もいるだろうが、英語学習に何度チャレンジしても挫折した経験のある人も多いはずだ。そして「いつかは英語を習得したい」と感じてはいないだろうか。
筆者も中学、高校、大学と英語を勉強する機会は十分にあった。しかしいまでも英語はしゃべれない。海外から来日したゲストを取材するときは「あ〜、やっぱり英語を勉強しなきゃ」と毎回思う。一方で同時通訳があることも多いので特に困るほどではない。だからいつの間にか「勉強」の意欲はどこかへ飛んで行ってしまうのが現実だ。
経済危機のさなか、社員各自がスキルアップをするような傾向も見られる。TOEICの受験など語学の習得もその1つかと思うが、テキストを購入したり、英会話教室に通えばそれなりにお金がかかる。社員が経費の一部や全額を自己負担する形で資格を取得する流れもあり、自己啓発は資金面でも厳しい。
モチベーションを保ちつつ、懐が痛まない英語習得法はないだろうか。
無料コンテンツで英語は上達するのか
英語学習コンテンツを中心に学習アプリケーションを無料で提供するWebサービス「smart.fm」の社会人ユーザーの中に、半年でTOEICのスコアが300点アップしたつわものがいるという。
本などを購入することなくsmart.fmだけで勉強し、650点だったTOEICのスコアが、半年で950点と満点まであと一歩というレベルまでアップした。学生ならともかく、仕事の合間に勉強をしてここまで成績を上げるのは至難の業だ。英語習得のコツを探るべく、smart.fmを運営するセレゴ・ジャパンを訪ねた。
smart.fmに見る英語習得のコツ
smart.fmでは、ただ単に英単語やフレーズを並べるだけでなく、映画の字幕などで学べたりする。もちろんコンテンツの利用にお金はかからない。
「例えば、映画に関する興味があれば英語学習へのハードルも低くなります。学習ですけど、ちょっとリラックスするというか。自分が好きな作品であれば、親しんで英語学習できるのでは」というのは事業開発マネージャーの柏野裕美さん。smart.fmでは、映画のほかに著名人のスピーチや、YouTubeやニコニコ動画の動画を使った英語学習コンテンツを用意している。
また、学習コンテンツだけでなくコミュニケーション機能を重視している。学習を軸とした、コミュニティやSNS機能を備えている。
「コツコツと1人で学習できない人はサイトの中でフレンドを作るのがオススメ。1つの学習が終わったら、『high five』(ハイタッチ)や『拍手』でお祝いしたり、そういったお祝いに対して『ありがとう』って返したり。学習機能を生かしたコミュニケーションがとれます」と柏野さんはアドバイスする。オフ会を開催することもあるそうで、ユーザー同士での交流も活発だ。「ユーザー同士の交流が盛んなので、逆にセレゴ・ジャパンのスタッフがオフ会に招待されたりします(笑)」(柏野さん)
アプリケーションの学習数を競うユーザーランキングも活用して、学習のモチベーションを上げている人も少なくないとか。サービスイン当時、1万4000語彙(ごい)だったsmart.fmの英単語の数は、今や250万語彙以上。そのほとんどがユーザーがコンテンツを組み替えたり、作り替えたりできる「マイリスト(UGC機能)」で生成されたものだという。これほど英語学習に熱心なユーザーがまわりにいれば、モチベーションも上がるかもしれない。
勉強する時間を制限しない
smart.fmでは7月にiTunes Storeで「おしごとの英会話ビデオレッスン」の無料配信をスタートした。これによりiPod、iPhoneを使って通勤時などでも学習できるようになった。
PCを使う人もいれば、スマートフォンやケータイを使う人もいる時代、あらゆるデバイスに対応しなければ勉強する時間を制限してしまう。
「わたしたちはいろいろなデバイスに提供することを目的とした会社です。今後も自分の力で新しいプラットホームや、アプリケーションに力を入れたい」とセレゴ・ジャパンのアンドリュー・スミス・ルイス会長。
iPhoneアプリも開発中で、近いうちのリリースを予定しているとのこと。どんな内容なのかはまだヒミツとのことが、さらに活用の幅が広がりそうだ。
いつか習得したいと思っているものは、いつまでも習得できない。できない言い訳を並べる前に、まずは懐の痛まない無料のコンテンツを試してみるのが近道かもしれない。
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