スリッパで分かる、伸びる会社ダメな会社――藤野英人さん:Twitter読書
伸びない会社は、事業に本腰を入れることができなかったり、環境に適応できなかったりしている――。4000人以上もの経営者と面談をし続け、中小・成長企業への投資を行ってきたカリスマファンドマネジャーが藤野英人さんが書いたのが『スリッパの法則』だ。
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4000人以上もの経営者と面談をし続け、中小・成長企業への投資を行ってきたカリスマファンドマネジャーが藤野英人さん。彼のリアルな体験を元に伸びる会社・ダメな会社の法則をまとめたのが『スリッパの法則』である。ユニークなタイトルは、靴からスリッパに履き替える会社は成長しづらいとの法則を指している。雪国でもないのに靴を脱ぐのは、内輪感覚が強すぎるのだという。
ダメな会社の法則
会社が伸びない理由の1つは、事業に本腰を入れることができないことにある。社長本人で言えば、これからや今ではなく過去の成功にしがみつくから、苦労話ばかり語ったり、自身の自伝を渡してきたりする。あるいは業界団体・ロータリークラブに力を入れていたり、夜の世界で遊ぶために高価すぎる時計を身に付けているという。会社を見ても分かる。社長室や社用車や本社は豪華である代わりに、企業の強みの源泉になるはずの工場は古びていたりする。大切な従業員が使うはずのトイレも薄汚れている。
理由の2つ目は、環境に適応できないこと。社長は過去の成功にとらわれているから、人の話を聞かないし、ファンドマネジャーが厳しく質問すれば怒り出しもする。PCを使いこなすことはないし、業績不振に陥った時は、あくまで景気や政府の責任だと言い張る。会社で言えば、スリッパに履き替えさせたり、社員に体操させるといった面から極度に家族主義であり、変化せずに身内を守ろうと行動してしまう。役員が多すぎるのは、肩書きが物を言う閉鎖的な業界に属していることを意味するし、相談役がいる会社では経営陣がお伺いを立てている可能性がある。こうした状況は、その会社が環境の変化に適応できないことを意味してくる。
膨大な経験から見えてきた法則であり、言葉にできない直感力を藤野さんは有しているのだろう。これからの時代を背負う企業の特徴について、藤野さんに聞いてみたい。
『スリッパの法則』の著者:藤野英人さん(Twitter)
1966年、富山県生まれ。愛知県立旭丘高校、早稲田大学法学部を卒業後、野村アセットマネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年、レオス・キャピタルワークスを設立。日本株のファンドマネージャーとして豊富なキャリアを持ち、4000人を超す経営者との面談を通じて日本の新興企業・中小型株市場に対する造詣が深い。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。
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