トヨタの影響力も明確に――「図解思考」でメモが変わる(基本編):世の中「四角形と矢印」でできている(3/3 ページ)
わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」を紹介。今回は四角と矢印という基本形、そして、そのバリエーションで描けるさまざまなな関係性を解説していきます。
今は存在しない「過去」や「未来」を点線で示す
これまで四角形を結ぶ直線あるいは曲線は実線でした。しかし、点線になるとその意味はどうなるのでしょうか? 点線が示すコンセプトは「今は存在しない」ということです。
今は存在しないが、近い将来に存在するかもしれない「未来の予定」、あるいは今は存在しないが、以前は存在した「過去の履歴」を示すのが点線となります。つまり、2者間の仮の関係を表すわけです。
例えば、以前は提携関係だったが今は解消している、今は存在しないが10年後には完成して連結する新しい駅……など、現在とは違う過去あるいは未来について記すときに点線が活躍します。
太線を使えば、強く、男性的に感じる
あらゆる色の中で一番強い色が黒です。インクの加法原色では常に黒がほかの色を圧倒します。また、文字のデザインでも黒の部分が多い太いゴチック体のほうが細い明朝体よりも力強く、男性的なイメージを与えます。
同様に、図解通訳の線の太さもその強さを示します。例えば、線が支配力を示すものであれば、太ければ太いほど支配力が強大であることを示します。右上の出資比率の大きさを太さで強弱をつけることで、支配力の大きさを分かりやすく示すことができます。
太さは視覚的に目立つので、たくさんの矢印や線が交差したり、混在するような図解の場合に、どこがメインの流れなのか、どこに着目すべきかを明確にするための役割も担っています。複雑な図であっても俯瞰(ふかん)して見た時に、太い部分が主線で、一番重要な流れであることが一目瞭然(りょうぜん)になります。
今回は、四角と矢印という基本形、そして、そのバリエーションで描けるさまざまな関係性を解説してみました。次回は、応用編として、もう少し複雑な図解メモの取り方を解説します。
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
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