「図解通訳」で変わる――会議をリアルに伝える議事録の取り方:世の中「四角形と矢印」でできている(2/2 ページ)
わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」を紹介。今回は経営会議の要点を「図解通訳」で伝えてみましょう。
図解通訳で議事録が変わる
(1)まずは、日付とタイトル、相手の名前などを明記(図1)。
(2)予算と実績の報告ということで、棒グラフなどを使って表現することを念頭に置いてヒアリングしていきます(図2)。
(3)通期の予算(目標数字)に対して、半期の実績の話をしています。通期予算の半分に対して、半期実績が 80%ですから20%ショートしていることを示すとよいでしょう。目標とすべき地点と比較するのがポイントです(図3)。
(4)半期の売上について、「{」を使って構成要素を解説しています。
構成比が%であれば円グラフが分かりやすいですが、ここでは絶対値なので、横棒グラフで数値の大きさを表現します(図4)。
(5)売上実績が目標未達成であるのは、会計ソフト事業のようです。会計ソフトの売上に斜線を引き、着目させ、目標であった売上に対して3億円足りなかった点をトピックとして表現します(図5)。
(6)会計ソフト事業の立て直しが急務です。そのため、X販売との営業提携をすることになったので、課題となっている会計ソフト事業から大きな矢印で営業提携を図示します(図6)。
(7)X販売の顧客に対して、当社の製品を、そして当社の顧客に対してX販売の製品を相互に販売するクロスセルを戦略として、営業提携するという内容です(図7)。
予実管理はビジネスの基本プロセスの1つです。グラフを効果的に使って目標と実績とのギャップを示せるようにしておきましょう。
また、今回登場した「クロスセル」以外にも売上拡大の戦略として同一の顧客に対してさらに高単価製品を買ってもらう「アップセル」がありますので覚えておくとよいでしょう
いかがだったでしょうか?
次回は、いよいよ、この実践編の最終話「カタチで考えるとスッキリする」です。図解通訳の際に、どのようなカタチを選択すると、情報がスッキリ整理されるのか、図解通訳のコツとともに解説したいと思います。
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
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