最終回:試して分かった「ダイエットを成功させる10カ条」:健康スーパーサイズ・ミー(2/2 ページ)
「流行のダイエットはやらない」と宣言してスタートした当連載「健康スーパーサイズ・ミー」も、今回でいよいよ最終回。担当編集さんとの対談形式でこの3カ月を振り返りつつ、「これからダイエットを始める人への10のアドバイス」をお届けします。
ダイエットを目指す人に贈る10のアドバイス
杉本 ダイエット挑戦者にアドバイスできそうなことって、ありますか?
中山 はい。素人の短い体験がベースではありますが、10個挙げてみました。それぞれ、コメントを入れて説明しますね。
- ダイエット中だからこそ、食事を楽しもう
「ダイエットイコール、サラダや果物」なイメージがありますが、それだけでは息切れするかなと。むしろ、食事は大いに健康的かつ楽しくすべきです。わたしの場合、それは魚介類の充実でした。野菜や魚介類をおいしく食べる工夫をしてみるとよいと思います。 - 毎日メモをとろう
いろんなダイエット本にも書かれていることで目新しさはないですが、自分の過去の振り返りになり、1人反省会にも使えます。たいした手間はなく、効果は大きいのでぜひやってほしいです。面倒でも食後直後にメモることが大切です。わたしはふつうの大学ノートに「三度の食事内容」と「その日の運動」を書いていました。常に通勤かばんに入れておいたので、自宅でも勤務先でも忘れずメモができました。 - 筋トレもやろう
いくら体重を落としても、筋肉がなければみすぼらしい体になってしまいます。目的はかっこよく、健康的にやせることなので、(脂肪よりも重い筋肉で)体重を増やすことになってもよいから、筋トレは意識的にやっていました。筋肉は重いですが、増やすと基礎代謝が増えます。なので、ダイエットにはむしろ効くんですよ。 - 体型を目に焼き付け、自分自身にモチベーションの燃料を送ろう
毎日裸体を鏡に映し、脂汗をかくよう努めました。ダイエットを始めたきっかけを毎日思い出すわけですね。己の美しくないプロポーションを直視し、その不快感から逃げるためにダイエットに打ち込みました。 - 食事はきちんととろう
三度三度の食事は欠かさないこと。1度だけ昼食を抜いてしまいましたが、食欲が増幅され、ドカ食いにつながってしまいました。生活のリズムを崩すことにもなるので、お勧めしません。体重が落ちにくくなった停滞期には、食事を抜く誘惑に何度も襲われましたけどね……。 - つらいときは音楽でハイになろう
NHKの「ためしてガッテン」でも放送していましたが、アドレナリンが分泌されると、食欲が抑制されます。これ、意外な発見という意味では一番かもしれません。ウソみたいですが、本当に効果があります。自分がハイになれる音楽であれば、ロックでもパンクでもメタルでもなんでもいいと思います。 - 栄養補助食品に逃げず、手のひらサイズのプチスイーツに気をつけよう
自戒をこめて書いておくのですが、甘いもの欲しさに無意識のうちにカロリーメイトなどの栄養補助食品に逃避してしまいました。甘党ではないわたしでさえ、デザートやスイーツの誘惑はかなり強烈でして、何度コンビニのプチスイーツに身悶えさせられたことか。誘惑は、姿と形を変えて心のスキマに忍び寄ってきますので、意識して注意してください。 - 心身の変化に抗わず、多いに楽しもう
ダイエットを機に起きた変化に抵抗せず、大いに楽しんでしまってください。何事もポジティブに楽しむ姿勢があれば、つらいダイエットも前向きに取り組めます。わたしの場合、「自炊へ目覚め&魚料理への興味」「築地や市場めぐり」「10年ぶりのスキー再開」の3つがありました。健康になって、しかも楽しければ、まさに一石二鳥ですよね。 - 『築地魚河岸三代目』を読もう&築地市場に出掛けてみよう
ダイエット時のたんぱく源として、魚介類には本当に助けられました。しかも、改めて食べてみると魚料理の美味しさと奥深さに気づかされました。魚好きになれたことは、ダイエットの収穫のひとつです。
さて、『築地魚河岸三代目』とは、築地の中卸の若旦那が主人公で、魚介食材を題材としたグルメマンガです。ビッグコミックで今も連載中なので、ご存知の方も多いかもしれません。取材をベースにした内容で、築地の様子がリアルに描かれていますし、魚の歴史、産地、食文化の勉強にもなります。しかも、取り上げられる魚介類がいちいち美味しそうで、読んでいるだけでヨダレが出てきます。個人的には『美味しんぼ』より好きですね。
関東にお住まいでなくても、最寄りの漁港にでかけるとか、海が遠いなら山の朝市を覗いてみるとか、野菜の産地へ足を伸ばすとか、お試しになってはどうでしょうか。 - やせようと気張るのではなく、ライフスタイルを見直すキッカケにしよう
非日常的な食事や運動を期間限定で行い、短期間で痩身に努める行為は、本当の意味でダイエットではないと思います。リバウンドするようなダイエットなら、そもそもやらないほうがよいとも思います。ダイエットが終わっても、ダイエットを終えてはいけないというか、終える必要がないくらいライフスタイルとしてなじんでこそ、成功と呼べるのではないでしょうか。
わたしも、今後たまにはジャンクフードを口にする機会があると思いますが、「食べたら動く」もしくは「その次の食事をセーブする」ことをマイルールとして課すことに決めています。
中山 ……と、アドバイスは以上になります。
杉本 やっぱりたまにはご褒美も必要ですもんね。テキサスバーガーとか。
中山 ぶっちゃけますが、食べられなかったことがいまだに残念です……。
ダイエットを機に欲しくなったサービスや書籍
中山 ダイエットには直接関係ないですが、ダイエットをやってみて、「こういう書籍やレシピサイトがあったらいいな」と感じたことがありまして。
杉本 どんなものでしょう?
中山 まず書籍なんですが、「漁師飯オンリーのレシピ本」です。簡単で豪快、安価で旨く、郷土の雰囲気も味わえる、そんな本、どこかの漁港の監修であったらなあと思います。「漁港を紹介した全国版ムック本」もほしいです。そんな本があれば、銚子でも三浦半島でも焼津でも日帰りで行ってみようという気になりますね。旅行にも必ず持参します。需要があるかどうかは分かりませんが。
杉本 読者の皆さま、ご存知でしたらBiz.ID編集部まで!
中山 よろしくお願い致します! さてもう1つは、レシピサイトへの注文なんですが、目的別(痩身、食育、子育て、介護、郷土料理)の充実をお願いしたいですね。
杉本 なるほど、今のレシピサイトは、その視点は確かに十分ではないのかも。
中山 食事って、誰にとっても常に目的や意味があるわけです。わたしのようにダイエット以外でも、単純に節約したい人向け、育ち盛りの高校生を持つ母親向け、アレルギーを持つ幼児のママ向け、母乳で育てたい新米ママ向け、カルシウムや鉄分が不足しがちな妊婦向け、老人と住む二世帯住宅向け……と事情は人それぞれですよね。でも、たいていのレシピサイトは、まず「食材ありき」で、なぜその食材なのかが見えてきませんでした。
蛇足ですが、「郷土料理」に着眼したレシピって需要があると思うんですよね。ほら、最近はご当地メニューもポピュラーですし、県民性の違いを紹介するバラエティ番組もありますよね。行ったことのない土地の食べ物を味わいたいとか、離れてしまった故郷の食べ物を作ってみたいとか、おばあちゃんの味を再現してみたいとか、懐かしい料理で人をもてなしたいとか、料理に興味を持つようになってから、その土地土地で親しまれてきた食べ物を、自分でも作りたいと強く思うようになったんです。ダイエットには直接関係ないことですけどね。
杉本 なるほどー。サービス開発者の方には、参考になる意見だと思います。
中山 これからもダイエットは続けますので、半年後くらいにまた成果をご報告しますね。
杉本 ぜひお願いします。それでは本日はどうもありがとうございました!
中山 こちらこそ、ありがとうございました!
ということで、年明けから続けてきたダイエット連載「健康スーパーサイズ・ミー」、いかがでしたでしょうか。目標通り体重も落とせましたし、何よりアドバイスの最後にも書いたとおり「ライフスタイルの変革」にまでつなげられたということで、自分としては成功だったと考えています。
連載はここでいったん終わりますが、これからもこの生活は続けますし、その中で気付いていくことあるでしょう。またお伝えできそうなことがあれば「番外編」という形でお会いできればと思っています。
それでは読者の皆さまも、良きダイエットライフを!
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