土肥: 売り上げが急増していますが、その最大の要因は何でしょうか?
出雲: 会社を創業して、今年で11年目。スタートしたときに「ミドリムシ」のことを知っていたのは、10%ほどだったと思うんですよ。しかし、昨年自社で調査を行ったところ、ミドリムシの認知度は50%ほどに増えていました。
10%のときって、本当に大変だったんですよ。スーパーで「ミドリムシコーナー」などをつくっていただいて、積極的に販売していたのですが、売場の前を通る人たちからは「イモムシなの?」「アオムシなの?」「ケムシなの?」といった反応でした。ミドリムシのことを「虫」と勘違いされていました。
私も売場によく足を運んだのですが、そうした声を聞くたびに「これは虫ではないんですよ、昆布やワカメの仲間なんですよ」と説明していました。10人に1人くらいは「知ってる、知ってる、ミドリムシでしょ」と言っていただけましたが、残りの9人は「虫でしょ」といった感じでした。
ミドリムシのことを知らない人たちに説明するって、ものすごく大変なんですよ。当然、コストがかかってしまう。しかし、創業してから10年が経ち、認知度は50%になりました。「50%」と聞くと、「それはスゴい」と思われるかもしれませんが、当事者としては「一番難しいタイミング」だと受け止めています。
土肥: それはどういう意味でしょうか?
出雲: クルマが日本の道路を初めて走ったのはいつごろなのか、いろいろな説がありますが、今から110年以上前の1900年ごろ……明治時代に外国からやって来たと言われています。いま日本では「クルマは左側通行」が当たり前になっていますが、当時は決まっていませんでした。自由に走っていたんですよね。ある人は右側を走っていて、ある人は左側を走っていて、ある人は真ん中を走っていて。自由に走行していたので、当然事故も増えていきました。
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