土肥: 認知度が50%になったということですが、どのようにしてアップさせることができたのでしょうか?
出雲: 創業後にミドリムシを原料にしたサプリメントを販売していました。商品名に社名の「ユーグレナ」を入れました。なぜ入れたかというと「ミドムリシ」だと、どうしても「えっ、虫なの? そんなモノを口に入れるなんて考えられない」といった拒否反応をされるかもと思ったから。で、社名であり学名のユーグレナを使用したのですが、まったく売れなかったんですよ(涙)。
これではイカンということで、2009年から「ミドリムシ」をネーミングに使った「ミドリムシクッキー」という商品を発売しました。この商品はものすごく売れました。いまこうして振り返ってみると、この商品は当社にとってターニングポイントになりました。とはいえ、まだまだ多くの人が「ミドリムシ」と聞いて「ムシ、ムリ」といった拒否反応をされていました。ただ、商品名に「ミドリムシ」を入れることで、ミドリムシが少しずつ認知されていきました。
そして、あるマーケティングを試みたんですよ。商品の中身は同じなのですが、東日本で「飲むユーグレナ」、西日本で「飲むミドリムシ」を発売しました。
土肥: 結果は?
出雲: 西日本の「飲むミドリムシ」がぐーんと売れて、しばらくしてから、東日本の「飲むユーグレナ」がぐーんと売れていきました。いまでは2つの商品は同じくらい売れているのですが、その結果どういった効果が生まれたと思いますか。「ユーグレナといえばミドリムシ」「ミドリムシといえばユーグレナ」といった感じで、両方がつながった形で認知が広まっていきました。
土肥: 会社名と商品名がつながっていないケースはたくさんありますよね。例えば、セロテープ。ほとんどの人は一度くらい使ったことがあると思うのですが、どの会社が作っているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。答えは「ニチバン」という会社。一方、自宅の洗濯機はどこのメーカーのモノを使っている? と聞かれて「日立」「パナソニック」「東芝」といった具合に答えることができる人は多いと思うのですが、「では、製品名は?」と聞かれると、答えることができる人は少なそう。
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