ラグビー部の秘密兵器になるか? ヤマハのバイクを使った「スクラムマシン」水曜インタビュー劇場(開発公演)(2/6 ページ)

» 2019年01月16日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

固定式のマシンをつくってくれないか

土肥: ラグビー「ヤマハ発動機ジュビロ」の練習場にやって来ました。緑に囲まれた自然豊かなところで練習をされているわけですが、その片隅にちょっと気になるモノを見つけました。それは「スクラムマシン」。一般的なスクラムマシンは人が押すことで、機械自体がスライドしますが、ここにあるモノは違う。地面に固定されていますよね。どういった経緯で、開発することになったのでしょうか?

緑に囲まれたところで、ラグビー部は練習している

北川: 5年ほど前、当時ヤマハでスクラムコーチをしていた長谷川慎氏(現在は日本代表のスクラムコーチ)からこのような話がありました。「フランスで合宿をしていたとき、スクラムマシンを目にした。それは地面に固定されていて、動かすことができない。同じようなモノをつくることができないか?」と。チカラを加えると、そのチカラはどのくらいなのか計測することができるんですよね。

 私はバイク開発にかかわっていることもあって、この話を聞いたとき、「技術的には可能かな」と感じました。ただ、技術以外に、人材や資金が必要になる。そこまでの準備ができていなかったので、そのときは話が立ち消えになりました。

土肥: その後、どういった経緯をへて、完成したのでしょうか?

北川: 2年前、現在の監督からこのような依頼がありました。「スクラムを組んでいるとき、押している選手がその感覚を味わえるマシンをつくることはできないか。押しているだけでなく、押している方向などを体感できるモノがいい」と。同じ話を別の人間から聞いたこともあって、「これはつくるべきだ」と考え、開発に向けて動くことにしました。

スクラムマシンのプロジェクトリーダーを務めた北川洋さん

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.