ラグビー部の秘密兵器になるか? ヤマハのバイクを使った「スクラムマシン」水曜インタビュー劇場(開発公演)(4/6 ページ)

» 2019年01月16日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

「YZ450FX」のサスペンションを使用しているワケ

土肥: 「自社の商品を利用できるのではないか」と考えるって、おもしろい。でも他の部品ではダメだったのでしょうか。バイクではなくて、クルマとか。

北川: もちろん、市販で売っているモノを利用することはできます。ただ、もっといいモノ、もっといいモノといった流れで、部品を選んでしまうと、開発費がどんどん膨らんでしまう。クルマの部品と違って、バイクのサスペンションは“キレイ”なんですよね。もちろん、クルマの部品は汚いという話をしているのではなくて、バイクの場合、外に露出していることもあって、性能だけでなく見た目も重視しているんですよね。

土肥: 言われてみれば、そーですね。クルマの部品の多くはボンネットの中や車体の下に隠れている。選手のチカラを受け止めるためにバイクのサスペンションを使うことになったわけですが、ヤマハにはたくさんのバイクがありますよね。部品ひとつとっても、どれを使えばいいのか、その選別が難しかったのでは?

北川: 選手がバーンと当たったときに、いい感じで受け止めてくれないと、人間の体が壊れてしまう。レース用のバイクの場合、性能もいいですし、チカラを加えることもできる。でも、なかなか動いてくれないので、人間の体に負担がかかってしまう。じゃあ、ふにゃふにゃ動いてくれるモノがいいのかというと、そうではない。人と人とがぶつかったときに受ける衝撃と同じようなモノでなければいけません。

 そう考えると、ぶつかることで数センチは動いてほしい。その数センチを調整するのに、オフロードの「YZ450FX」で使用しているサスペンションが適していることが分かってきました。このサスペンションは強度を変えることができるので、練習中に選手が「もう少し反発してほしい」「あまり反発してほしくない」ということであれば、そのように調整することができるんですよね。

オフロードバイク「YZ450FX」のサスペンションに目をつけた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.