無人コンビニで、どんなモノが売れたのか 1年を振り返る水曜インタビュー劇場(600公演)(1/6 ページ)

» 2019年08月07日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 東京の高層ビル40階で働き、お昼休みは1時間――。このような環境で仕事をしている人にとって、「あるある」の悩みがある。ランチだ。

 1階にあるコンビニでお弁当を買いたいのに、エレベーターは混んでいて、10分待つ。コンビニに着いたものの、レジの前でたくさんの人が並んでいて、10分待つ。帰りのエレベーターも混んでいて、10分待つ。たった1つの生姜焼き弁当を買うためだけに、30分ほどかかっている人もいるのでは。そんな悩みを抱えている人にとって、ちょっと便利なマシーンが登場している。無人コンビニ「600」(運営:600株式会社)だ。

 無人コンビニは2018年6月に産声をあげて、翌年1月、設置契約数は50カ所を突破。その後も、オフィス内などで増えていき、「年内には200〜300カ所への設置を見込んでいる」(同社)という。

無人コンビニ「600」がじわじわ増えている

 「無人コンビニ」と聞くと、「QRコードを使ったり、チャージをしたり、いろいろと面倒でしょ」と思われたかもしれないが、ご安心を。本体に取り付けられたカードリーダーにクレジットカードをスワイプすると、扉が開く。中に入っているモノを手にして扉を閉じると、タブレット端末に商品名などが表示されるので、あとは購入ボタンを押すだけ。これで、すべて完了である。

 このように書くと、「ウチの会社にもほしい」「ぜひ、一台!」と感じられたかもしれないが、筆者は気になることが2つ浮かんだ。1つは、競合のマシーンである。大手コンビニもパンやジュースなどが購入できる自販機を投入しているが、それらと何がどう違うのか。もう1つは、設置して1年が経っているが、どんなモノが売れているのか。この疑問を解くために、同社の久保渓社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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