土肥: 4階の4227号室にやって来ました! ここはツインの部屋なのでベッドが2つあるわけですが、もともとはトリプルだったそうで。ここまで言うと勘のスルドイ読者はお分かりだと思いますが、ベッドを1つ「よっこらしょ」と言って取り除き、「どっこいしょ」と言ってフライトシミュレーターを設置したそうですね。
羽田エクセルホテル東急は第2ターミナルに直結していることもあって、いたるところで空港や飛行機を感じることができますよね。エントランスには飛行機の模型を置いていたり、レストランにはコックピットから見える映像を流していたり、飛行機の形をしたシュークリームを提供していたり。このほかにも客室によっては滑走路を見ることできるので、これもでもかこれでもかといった感じで、空の世界を味わうことができのに、今度は部屋にコックピットを設置しました。しかもゲームやオモチャではなくて、なぜパイロットが訓練で実際に使うものと同等のフライトシミュレーターを導入したのでしょうか?
貴崎: 羽田エクセルホテル東急は12月に開業15周年を迎えるので、何か面白いことはできないか。2020年に第2ターミナルが一部国際線化するので、訪日外国人向けにホテルの認知度をアップすることはできないか。この2つのことを考えていて、「客室にコックピットを設置するのはどうか」といったアイデアが浮かびました。……と、このように言っても、「なぜそこに、本格的なフライトシミュレーターを置いたの?」と思われたかもしれません。実は、個人的に飛行機がものすごく好きなんですよね(笑)。
休日、ワタシは羽田空港に足を運んで、飛行機をのんびり見ていることが多い。国際線ターミナルにも行きますし、第一ターミナルにも行く。それでも、「第2ターミナルがいいなあ」と感じていたんですよね。なぜ第2ターミナルが好きなのか理由がよく分からなかったのですが、ある写真家がこのように言っていました。「第2ターミナルは東京湾が見えて、房総半島を眺めることができる。晴れていれば太陽が反射する。この光景をバックに、飛行機がどんどん飛んでいくので、美しい」と。
この言葉を聞いたとき、「なるほど。だから自分も好きなのか」と納得して、いつかは自分もこのホテルで働くことができればなあと漠然と考えていました。当時、溜池山王にあるホテルで働いていて、「もし自分が羽田のホテルで働くことになったら、客室にフライトシミュレーターを設置するのになあ」と夢のようなことを考えていました。
そんな日々を送っていたら、辞令が出て、羽田で働くことに。2018年春に着任して、ホテルの数字を見ていると、外国人の宿泊率が低いことが気になりました。溜池山王のホテルでは70%ほどだったので、羽田でも「外国人に50%ほど利用されているのだろうなあ」と思っていたら、20%を切っていたのでびっくりしました。どのようにすれば外国人の利用率を高めることができるのか。いろいろとアイデアを絞った結果、「客室にフライトシミュレーターをつくるべきではないか。そうすれば話題になって、外国人も来てくれるのではないか」という考えにたどり着きました。
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