なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
インタビュー
» 2020年02月26日 11時20分 公開

水曜インタビュー劇場(一丁焼き公演):行列ができる店があるのに、なぜ「たい焼き店」は増えないのか (5/7)

[土肥義則,ITmedia]

たい焼きを開いてみた

辻井: 14年に、阿佐ヶ谷に移転しました。ここは1階に売り場とあんこをつくるスペースがあるので、人の配置などをうまく回すことができれば、捨てずに済む日もありました。お客さんが少ない時間にあんこをつくって、忙しい時間帯には売り場を手伝ってといった感じで。とはいえ、廃棄問題は完全にクリアしたわけではありません。先ほど申し上げたように、焼いて20分経ったモノは捨てていました。

土肥: でした、でした。

辻井: 20分経ったモノを捨てるといったルールを設定したところ、どんな問題が起きたのか。「商品を捨てたくないので、少なめにつくろう」というスタッフもいれば、「捨てるのは仕方がない。気にせずにどんどんつくろう」というスタッフも出てきました。前者が担当すればチャンスロスが発生して、後者が担当すれば廃棄量がどんどん増える。

土肥: 前者の場合、利益率は高まるけれど、売り上げが伸び悩む。後者の場合、売り上げは伸びるけれど、利益率は低くなる。うーん、この問題を解決するのは難しい。

辻井: 店のスタッフからは、このような声がありました。「廃棄する商品を揚げてみるのはどうでしょう? いわゆる“揚げたい焼き”ですね。それを販売すれば、売り上げは落ちません」と。ただ、揚げてしまうと、あんこの水分が飛んでしまうので、おいしくありません。この意見は却下したのですが、水分を飛ばしてもおいしく食べる方法があるのではないかと考えました。

 話は少し変わりますが、個人的にたい焼きの皮が大好きなんですよね。以前から「皮をたくさん食べることができないかなあ」と思っていまして、なんとかそうしたニーズを満たす商品ができないかとモヤモヤしていました。たい焼きの廃棄量を減らしたい+皮をたくさん食べたい+水分を飛ばしてもおいしく食べる方法……を考えたところ、たい焼きを開くのはどうかといったアイデアが浮かんだんですよね。

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