コロナで広がる採用格差 「採用弱者」にならないために採用担当者が知るべきコト、やるべきコト思考停止は大敵(4/5 ページ)

» 2020年06月23日 05時00分 公開
[高橋実ITmedia]

(2)これまでの採用手法を見直す

 オンライン説明会やオンライン選考を実施すると、画面を通して情報や熱意を伝えるのが難しいことを実感すると思います。しかも、長時間のオンライン選考は学生の集中力を削いでしまいます。従って「いかに自社の特長を伝えやすく整理し、学生に伝えられるか」が問われることになります。

 例えば、ビジネス経験のない学生に「当社の売上高は200億円です! すごいでしょう!」と伝えても、本当にその価値は伝わるでしょうか。リアルな説明会では伝えていたつもりでも、じつはうまく伝わっていなかったこともあるはずです。この機会に自社のコンテンツを見直してみるのもいいでしょう。

情報の伝え方など、これまでの手法を見直すのも一つの手だ(出所:ゲッティイメージズ)

 また、これまでナビサイトに頼っていた母集団形成の手法を見直すのもいいかもしれません。大学のキャリアセンターの方からも、企業の情報が少なくなっているので情報が欲しいという声をよく聞きます。企業からの情報提供やアプローチは歓迎してくれるはずです。他にも、学生との直接的な接点を持っている学生団体や地方自治体などへのアプローチもいいかもしれません。コロナショックで困っているのはみな同じです。採用の選択肢を増やすチャンスだと捉えましょう。

 大手企業を中心に、通年採用の導入や全面的なオンライン選考への移行など、アフターコロナを見据えて採用手法が大きく変わり始めています。こうした中で採用弱者にならないためには、変化に対応できる安定的な採用基盤を作っていくことです。21年卒の採用の成否を問うだけでなく、長期的な自社の採用力を強化することがポイントです。

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