――話し合うとなると、管理職と部下が一緒に時間を使うことになります。例えば管理職が部下に「これをしておいてくれ」と指示をして、部下の能力を高めさせることはできないのでしょうか?
「自分としてはこういう意見や分析できる人を求めている」と理想像を提示したうえで、評価方法を変える必要もあるかと思います。結果だけで評価するのではなくて、プロセスも評価対象とする。そうすると、部下も自分でプロセスを考えてくれるかもしれませんね。
――最後に、ゲーム理論の思考のセンスを磨くための、オススメの本などご紹介願えますか?
私がゲーム理論を学び始めたときは、とにかく入門書のような本を何冊も読みました。読んでいるうちに分からないところが出てきますから、その部分を何度も読み返していくうちに、見えてくる景色が変わってきます。ですので、本をたくさん読んで勉強して、かつビジネススクールでも勉強してほしいですね(笑)。
どんな本でもいいですが、読書は重要です。想像力が身に付きます。本というものは読めば読むほど多くの世界を知ることになるので、想像力が付くんですね。結局、先ほどの話も部下に想像力がないから、そういう問題が起こるのです。上司が何を求めているのか、どうすれば自分はそれを果たせるのか。そういう想像力は読書で身に付けられると思います。
森永康平(もりなが こうへい)
株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。その後はインドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて法人や新規事業を立ち上げ、各社のCEOおよび取締役を歴任。現在はキャッシュレス企業のCOOやAI企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。著書に『MMTが日本を救う』(新書/宝島社)や、父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(新書/ KADOKAWA)がある。 Twitter:@KoheiMorinaga。
令和に入りつるべ落としに日本経済が傾く中で、MMT(現代貨幣理論)についての関心が高まっている。
本書は新進気鋭の経済アナリストがMMTの概論と、日本経済にどう用いると景気浮揚のカンフル剤になるのか、わかりやすく説明。
「モズラーの名刺」の逸話など、わかりやすい事例を用いて、MMTが前提とする話などを丁寧に記す。
消費増税の影響やコロナ不況など、一般層が経済政策を知る必要が出てきている今、専門用語や数式をほぼ使わずに、視覚的に理解できるグラフを多用してやさしく解説する。
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