経営者が知るべきゲーム理論 気鋭の経済学者が語る「コロナ禍の行動」と「部下の育成法」ハーバード仕込みの戦略思考(3/3 ページ)

» 2020年09月10日 14時47分 公開
[森永康平ITmedia]
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結果だけではなく、プロセスも評価対象にせよ

――話し合うとなると、管理職と部下が一緒に時間を使うことになります。例えば管理職が部下に「これをしておいてくれ」と指示をして、部下の能力を高めさせることはできないのでしょうか?

 「自分としてはこういう意見や分析できる人を求めている」と理想像を提示したうえで、評価方法を変える必要もあるかと思います。結果だけで評価するのではなくて、プロセスも評価対象とする。そうすると、部下も自分でプロセスを考えてくれるかもしれませんね。

――最後に、ゲーム理論の思考のセンスを磨くための、オススメの本などご紹介願えますか?

 私がゲーム理論を学び始めたときは、とにかく入門書のような本を何冊も読みました。読んでいるうちに分からないところが出てきますから、その部分を何度も読み返していくうちに、見えてくる景色が変わってきます。ですので、本をたくさん読んで勉強して、かつビジネススクールでも勉強してほしいですね(笑)。

 どんな本でもいいですが、読書は重要です。想像力が身に付きます。本というものは読めば読むほど多くの世界を知ることになるので、想像力が付くんですね。結局、先ほどの話も部下に想像力がないから、そういう問題が起こるのです。上司が何を求めているのか、どうすれば自分はそれを果たせるのか。そういう想像力は読書で身に付けられると思います。

著者プロフィール

森永康平(もりなが こうへい)

株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。その後はインドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて法人や新規事業を立ち上げ、各社のCEOおよび取締役を歴任。現在はキャッシュレス企業のCOOやAI企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。著書に『MMTが日本を救う』(新書/宝島社)や、父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(新書/ KADOKAWA)がある。 Twitter:@KoheiMorinaga


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