「人が集まる」「人に直接会う」ことで稼いできた企業が、新型コロナを契機に自社戦略の見直しを迫られている。どのようにして「脱・3密」や「非接触」を実現し、ビジネスチャンスを生み出そうとしているのか。
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コロナ禍のもと、事業者が苦しんでいるものの1つが資金繰りだ。そんな中、金融機関からの融資に代わり、スピーディかつ信用が小さくても利用しやすい「ファクタリング」が注目されている。どんなメリットがあり、何に注意しなくてはいけないのか。MF KESSAI取締役会長の家田明氏による寄稿。
現在、いわゆるコロナ禍のもとで、多くの事業者が、自らの事業を運営させるうえでの血液ともいうべき運転資金の確保に腐心している。こうした需要に対する資金供給手段としては、まず、政府系を含む金融機関からの融資があげられる。
しかし、金融機関の場合は、事業者から融資の申し込みがあっても融資の可否の審査に月単位の時間を要するケースが少なくない。つまり、緊急な資金需要には応えきれないこともあり得ることになる。
また金融機関は、融資の金額が小さかったり期間が短かったりすると、コストを賄うだけのリターンを得られないとして、融資を実行しないことを選択する。つまり、業容が大きくない事業者の場合、融資を受けられる蓋然性が低いことになる。加えて、創業から間がない事業者が金融機関に融資を申し込んでも、複数期の決算書等を求められるため、結局申し込み自体を断念せざるを得ないことになる。
このように、金融機関からの融資は、実行までに時間がかかるほか、中小事業者やスタートアップは対象になりにくいという問題がある。
次に、貸金業者からの資金調達はどうであろうか。日本貸金業協会によると、貸金業者(消費者向けを含む)の数は、総量規制の導入、出資法上限金利の引き下げ、利息返還請求の急増により、2007年3月の1万1832社から19年3月には1716社と12年間で7分の1にまで減少してきている。
さらに、このように大きく減少した貸金業者のうち事業性融資を行っている先はかなり限定的であると言われている。このため、事業者が貸金業者から運転資金を速やかに調達することは容易ではない状況にあると考えられる。
このように、事業者が必要運転資金を調達しようとする場合、金融機関や貸金業者では速やかに資金を手にすることは難しいケースが少なくないことになる。
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