瀕死の観光産業を救うか? GoToで注目される「ずらし旅」とはコロナで生まれた新しい旅の形(4/4 ページ)

» 2020年10月14日 08時00分 公開
[村田和子ITmedia]
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GoTo終了後を見据えて

 「ずらし旅」がきっかけで自分らしい旅のスタイルを見つけてシェアをする。それを参考に旅へ出た人が、新たな発見をしてシェアをする。その連鎖こそがナレッジとなり、真の意味での観光復興への大きな力となり、後押しになると筆者は考える。

 GoToトラベルキャンペーンは、自粛ムードを切り替え、元気のない観光業への支援、コロナで疲れた心身をメンテナンスする機会を作るという意味では重要だ。ただし、終わりがあるのを忘れてはいけない。

 大盤振る舞いの旅行代金の補助がなくなった時、「人が旅へ出たいと思う原動力は何か?」を今から考え準備しておかなくては、明るい未来は描けない。私は、その1つは「プライスレスな旅の成功体験」だと考えており、今までの定番の旅とは違う、自分視点での「ずらし旅」にチャレンジすることは成功体験の一助となると感じている。

 キャンペーンを通じて、多くの旅行者が発見した「ずらし旅」のコンテンツは、地域の新たな魅力や付加価値にもなる。「ずらし旅」は、GoToキャンペーン終了後、さらにはアフターコロナ時代にも、観光復興を支える力を発揮するに違いない。

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著者プロフィール

村田和子(むらた・かずこ)

旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、大阪市立大学生活科学部卒。アパレル会社人事部を経て、(株)人事測定研究所(現:リクルートマネージメントソリューションズ)へ入社。マーケティング業務に従事する傍ら、2001年より総合情報サイトAllAboutにて旅の情報の寄稿を開始。06年トラベルナレッジ設立し「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力発信・コンサル・講演を行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド🄬」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。総合旅行業務取扱管理者、1級販売士(日本販売協会登録講師)。16年よりNHKラジオ「Nらじ」へ出演中。


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