宇髄天元をはじめ、鬼殺隊の柱たちは言葉で人の心に灯をともし、やる気をかき立てる力に秀でています。そんな柱たちが多大なる影響を受け、心から慕っているのが、鬼殺隊の長、産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)です。
産屋敷はあらゆる面で鬼舞辻とは対照的な存在ですが、根本的な違いは、最強の戦闘力を持つ鬼舞辻に対し産屋敷は非力なことです。その代わり、産屋敷には人を引き付け動かす力があります。組織をマネジメントする上で、最も重要な能力です。
「確固たる自分を取り戻した時 君はもっと強くなれる」
「君を悪く言う人は 皆 君の才能を恐れ 羨ましがっているだけなんだよ」
こうした産屋敷の言葉には、人が持っているコンプレックスを柔らかく受け止め、心のわだかまりを解きほぐし、逆に自信へと変えてしまう力があります。最初は産屋敷に対して素直に従おうとしなかった者に対しても、
「私は偉くもなんともないんだよ」
「皆が善意でそれその如く扱ってくれているだけなんだ」
「嫌だったら同じようにしなくていいんだよ」
と、自分に従うことを無理強いせず、相手をありのまま受け止めて愛情で温かく包み込みます。最初は反発していた者も、産屋敷とのコミュニケーションを重ねる中で、おのずからその存在を受け入れるようになっていきます。強いプレッシャーを与え、恐怖でマネジメントする鬼舞辻とは対照的です。
鬼舞辻と産屋敷。両極端なマネジメントが作りだすそれぞれの組織には、決定的な違いがあります。
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