もっともEVベンチャーは、ニコラのような怪しげなところばかりではない。高級EVで失敗したフィスカーは、SUVで3度目の挑戦に賭けている。発売は22年とまだ先だが、逆にこれまでの実績が信用を高めることになるかもしれない。
ルシッドは高級セダン「エア」を開発中だが、その他のブランドはSUVもしくはピックアップトラックなど、サイズの大きなRVを開発しているところが多い。その理由としては、現在の北米市場では税金の安いピックアップトラックが人気で、大きな車体はたくさんのバッテリーを搭載しやすく、車体の重さがデメリットになりにくい点などが挙げられる。スタイリングなどデザイン面でも、メジャーな完成車メーカーでは難しい冒険心のある造形を打ち出して、ユーザーの関心を集めやすい。
これらEVベンチャーについては、21年以降、生産にこぎ着けられるブランドがどれだけあり生き残っているか、その動向を観察していこうではないか。
ボリンジャー・モータースが生産予定の「B1」は、初期のランドローバー・ディフェンダーを想わせるようなシンプルで武骨なデザインが斬新。前後のモーターと床下に収めたリチウムイオンバッテリーにより、強烈な動力性能を誇る。リヤエンドにオープンデッキの荷台をもつ「B2」も用意される
- 日産三菱ルノーのアライアンスは崩壊するか?
公共交通より安全に移動できるクルマが見直され、自動車業界の業績がコロナ禍の悪化から回復を見せている。しかしエンジン車販売規制に伴うEVシフトも見据えれば、楽観視はできないず、アライアンスなどによる連合グループは、提携解消の可能性もある。今回は世界の主要メーカーのアライアンス状況と、課題を考える。
- 電動化の主役は完成車メーカーではなくサプライヤーだ!
菅政権による自動車の電動化規制に注目が集まっている。カーボンニュートラルによる電動化規制は世界中に広がっており、自動車業界を大きく揺るがすことになるだろう。そして、これまでの動きから見えてくるのが主役交代だ。今後は、完成車メーカーからサプライヤーへ、主役がシフトすると考えられる。
- 果たして自動運転レベル3は、ドライバーにとって優しいのか?
人間不要の自動運転はレベル4、レベル5と呼ばれる。しかし、現状は機械とドライバーのハイブリッドであるレベル2とレベル3が射程に入ってきたところだ。しかし、このレベル3はさまざまな問題を抱えている。そのため、実用化についてもメーカーによって方針は大きく異る。
- 「技術の日産」の魂は、死んでいない アライアンスの行方は?
日産自動車経営陣の新体制が固まった。3頭体制への期待は高いが、その周囲の役員の間にはさまざまな思惑がうごめいているという情報もある。日本とフランスの国策企業というプライドが、足を引っ張りあっていくなら、良いクルマやサービスも生まれない。
- 新燃費規程 WLTCがドライバビリティを左右する
ここ最近よく聞かれるのが、「最近の新型車ってどうしてアイドルストップ機構が付いてないの?」という質問だ。全部が全部装備しなくなったわけではないが、一時のように当たり前に装備している状況でなくなったのは確かだ。それに対してはこう答えている。「燃費の基準になる測定方法が変わったから」。
- 自動車メーカーを震撼させる環境規制の激変
「最近のクルマは燃費ばかり気にしてつまらなくなった」と嘆いても仕方ない。自動車メーカーが燃費を気にするのは、売れる売れないという目先のカネ勘定ではなくて、燃費基準に達しないと罰金で制裁されるからだ。昨今の環境規制状況と、それが転換点にあることを解説する。各メーカーはそのための戦略を練ってきたが、ここにきて4つの番狂わせがあった。
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