大手ラーメン店でも業績は厳しく、上場するラーメンチェーン店のうち4社が20年度決算の前期比減収および経常赤字を予想した。日高屋は上場以降初めて、当期純利益が赤字に転落。幸楽苑も通期で前年比2割超の大幅減収となる見通しとなっている。個人店・大手チェーン店問わず、顧客の「ラーメン店離れ」が続いている状況だ。
一方でグルメサイト「ホットペッパー」の調査で、デリバリーやテークアウトを除いて食べたい「外食」1位にラーメンが選ばれるなど、ラーメン自体の人気は依然高い。今後は顧客のニーズをいかにしてすくい、販売につなげるかが課題といえる。
緊急事態宣言が発出されている地域では、飲食店の営業時間時短要請が出るなど、依然として飲食業界は厳しい状況に追いやられている。そこで、店内飲食を前提とした店舗運営から、デリバリーやテークアウトへ業態転換する、Eコマース事業を拡大するなど、新たな販売チャネルの開拓が鍵となる。
ただ、ラーメン業界全体の特徴として低価格・薄利多売経営があり、販売チャネルを増やすこと自体が大きな負担となる店舗も少なくない。限られたリソースのなか、脱店舗運営の「新・ラーメンビジネス」をいかにして確立するかが、21年のラーメン業界の先行きを占う重要なテーマとなる。
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