「ワタミの宅食」で弁当容器を回収、リサイクルする取り組みを開始 狙いは?

» 2021年03月25日 18時27分 公開
[ITmedia]

 ワタミは食事宅配サービスの「ワタミの宅食」で、自社の弁当容器を回収し、新たな容器に再生してリサイクルする取り組みを全国で開始した。容器を繰り返し利用することでプラスチックごみの削減につながり、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献できると考えている。

使用済み容器をお届けスタッフが回収(以下リリースより)

 ワタミは弁当容器にバイオマス素材を取り入れ、2019年5月に自社のバイオマスプラスチック容器を回収し再生利用するリサイクルシステムを構築した。20年末までに中部・北陸・関西・中四国・九州地方で取り組みを実施していて、今回、東北や関東地方を含めた全エリアで実施するに至った。今後、1日当たり約24万食分、約7.2トンの容器のリサイクルを実施する。

 コロナ禍の今、外出自粛から生じるデリバリーの需要増加で、プラスチックごみが急増し問題となっている。また、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が通常国会に提出される見通しで、使い捨てプラスチックの削減は企業にとって課題となっている。ワタミは弁当容器を循環して利用することでプラスチックごみの削減につながり、SDGsの達成にも貢献できると考えている。

ワタミリサイクルモデル

 同社はコロナ禍の外出自粛による外食業の不振で、20年4〜12月の売上高が前年同期比33.3%減の赤字だった。一方で、宅食事業の売上高は5.1%増と伸長を見せている。外出自粛が続きデリバリー需要が高まっている中、環境にも目を向けた取り組みを行うことで独自のブランディングを構築できるか。

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