西武鉄道以外に目を向ければ、小田急「ロマンスカー」、東武「スペーシア」、近鉄「しまかぜ」「伊勢志摩ライナー」「さくらライナー」なども観光地のアクセス列車として誕生し、魅力を高めてきた。東急は自社路線網に観光地がないけれども、グループで古くから伊豆の観光開発に力を入れていた。アクセス路線としては国鉄・JRの特急に任せきりだったけれど、横浜発の「THE ROYAL EXPRESS」は、東横線の終点と伊豆を結ぶ観光アクセスルートを自前で整備したといえる。
これほど長距離ではなくとも、観光地の入口役となる鉄道路線は多い。別府ラクテンチ、近鉄生駒ケーブル、箱根登山ケーブルカー、高尾山ケーブルカーなどのケーブルカーもしかり。観光地までの高揚感を引き立てる存在だ。
残念ながら消えてしまった路線もある。小田急は向ヶ丘遊園駅と向ヶ丘遊園間にモノレールを運行していた。その前身は豆汽車と呼ばれる軽便鉄道だったという。しかし老朽化と向ヶ丘遊園の入場者数減少の影響で廃止された。名古屋鉄道もモンキーパークモノレール線が老朽化の影響で廃止されている。老朽化路線をリニューアルするほどの乗客が見込めなかった。
しかし、日本の鉄道史をひもとけば、京急電鉄は川崎大師、京成電鉄は成田山など、参拝客を当て込んだ参詣鉄道の多くは観光アクセス路線のルーツである。ともに発展し、片方が低迷すれば一緒に沈む運命共同体だ。
西武園ゆうえんちの準備は整った しかし、足りない要素が2つある
鉄道模型は「走らせる」に商機 好調なプラモデル市場、新たに生まれた“レジャー需要”
「としまえん閉園」は寂しいけれど…… 鉄道会社にとって“遊園地”とは何か
運賃「往復1万円」はアリか? 世界基準で見直す“富士山を登る鉄道”の価値
JR九州の新型観光列車「36ぷらす3」の“短所を生かす”工夫 都市間移動を楽しくする仕掛けとはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング